テラーノベル
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御飯を食べたら、しばし休憩。
1年女子の皆さんは山小屋に買い物兼冷やかしに。
先輩は防寒具全部着装の上、お昼寝中。
先生は、
「水を汲んできます」
と、水のボトルを持って消えて行った。
僕は山頂をぐるりと回って、スマホで写真撮影。
空が青くて、何処を見ても被写体という感じ。
割と広めの山頂部分をぐるっと回って。
戻ってみると、売店組も戻っていた。
「買ってしまいました……」
彩香さんが見せてくれたのは、銀色の、山と山名標が入っているバッジだ。
『塔の岳山頂1491M 神奈川県』と入っている。
「この山の形、ここから見る富士山と手前の山々なんだって」
彩香さんにそう言われて見比べてみると、確かにそんな感じだ。
「確かにこれ、記念になるかもな。写真と一緒に撮っておいて」
一応、全員登頂の写真は撮ってある。
でもとりあえず、モデルの山名標と富士山の入る方向で個人写真を撮りまくっていたら。
先生も戻ってきた。
「どこまで水を汲みに行ってきたんですか」
「ここから5分ほど下った処に水場があるんですよ。不動の清水って呼ばれているんです。見かけは雨樋のパイプから出る水なんですけれどね。美味しいと聞いているので、どんな味かなと思って」
そう聞くと、飲みたくなるものだ。
全員で試飲した結果、2リットルあったのが、ほぼ無くなってしまった。
でも、確かにひんやりしていて美味しい水だ。
「ボトル入りの天然水より美味しい気がします」
「そりゃこっちも本物の天然水だものな」
なんて言いながら。
間接キッス何回目かは、もうカウントしていない。
アウトドアをやる以上しょうが無い。
もう慣れた、きっと。
「さて、そろそろ行きましょうか」
「何か勿体ないですね」
そう言った美洋さんの気持ち、僕にも良くわかる。
「ですから、さっきの道を使って真っ直ぐ降りないで、ちょっと表尾根を経由して帰ってみましょう。登山届にもそう書いておきましたし、あの階段を降りるのも、ちょっと嫌でしょう。景色は、たしかにいいんですけれどね」
そんな訳で。
行きとは違った方向に向けて、僕達は歩き出した。
頂上からしばらく急な下りを下りると、樹林帯に入って、また気分が変わる。
坂も緩やかになって、気持ちいい感じだ。
もっとずっと歩いていたい。
どうせ下りが圧倒的に多くて楽だし。
そう思いながら皆、快調に歩いて行く。
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