テラーノベル
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「腹減ったなー…。」
ぽそりと隣の男が呟いた。
言われてみれば、確かに。
珍しくオフが被ってたまにはYouTu◯e抜きにしてがっつりゲームしようぜとなり、夢中になっていたので気が付かなかった。
時計を見ると昼には遅く、夜には早い微妙な時刻。
二人して何時間も画面に齧りついていたようだ。やり始めると楽しくて、終わりどころが分からないんだよなぁ。
腹は減った。とはいえ、今から外食のために身なりを整えて出かける気は起こらない。
「あー…。なんか頼む?」
「うーん、…そんなに沢山は食べたい感じじゃないんよな。」
うん、同意。じゃあ、
「なんか簡単なもん作ってやるよ。」
キッチンへ移動するほんの少しの時間で冷蔵庫の残り物を思い出す。
必ず一日のどこかで自炊したいタイプなので、食材が枯渇していることはない。
「⋯あれならちょうどいいかな。」
一旦カエデのまな板と包丁を取り出し、冷蔵庫へ。
がぽん、と音を立てて扉を開けて目当てのものを手際よく取り出していく。
舞茸、玉ねぎ、ベーコンと顆粒コンソメ、そして牛乳、ピザ用チーズ。
あとは冷凍庫から一膳分ごとに小分けして冷凍している白米を2つ。
まずは電子レンジで米を温めて解凍する。
その間にこちらに取りかろう。
舞茸は手でほぐして玉ねぎは1/2をみじん切りに。料理に手慣れてくると目が染みるー、ってこともなくなった。
ベーコンはロケに行った時にお邪魔した道の駅で購入した、ブロックタイプのちょっといいやつ。
厚切りにして炙るだけで美味いやつ。
適量を切ってこれで包丁の出番は終わり。
かこん、コンロにフライパンを置いてオリーブオイルを少し、玉ねぎとベーコンを入れてから中火で熱を通していく。
「熱ち、熱ち、」
レンジで解凍できた米を取り出すけど、予想よりしっかり温まってて熱い。火傷なんてするわけにいかないから慎重に。
まな板と包丁もすぐに洗って布巾で水分を拭き取っておく。こういう少しの手間が永く使うためには必要って何かで読んだことがある。
フライパンに目を移すとベーコンにいい感じの焦げ目がついていたから、舞茸も合流させてやる。ベーコンから出た油と、オリーブオイルを纏ってキラキラしている様子が見ていて楽しい。
あー…いい匂い…。
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ご主人
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「今日は何作ってくれんのー?」
キッチンのカウンターからのぞき込むようにして声をかけられる。
「お前ここにある材料で当てられる?」
「えー、わかるわけねぇじゃん。」
って間髪いれず悪びれもなく答えてくる。
いやいや、見てもねぇな?
ちょっとは考えろよ。
「最近自分で飯作ってんの?」
「んー…あんまりかなぁ。家に帰るの変な時間になることが多くって。」
「よっしーは偉いね、ちゃんと毎日作るんでしょ?」
「いや、別に俺も凝ったもんは作んねぇよ。」
緩ーい会話をしつつ手は止めない。
艶々に色味を変化させた食材が待ち構えるそこに牛乳とコンソメを加えてひと煮立ちさせ、続けて米を入れる。
ぷくんぷくん、とまろく泡立つ表面にピザ用チーズを気持ち多めに、塩胡椒で味を整えよくかき混ぜて、と。
「おぉー。美味そう。」
いつの間にか隣に移動してきていた見物客の、嬉しそうな声ににやりと笑ってやって。
「でしょーよ。」
皿に盛り付ければ、簡単チーズリゾットの出来上がり。
おっと、忘れるところだった、黒胡椒も挽いて見た目も味もアクセントを加えてたら、今度こそ完成。
客に出すからって洒落込んでテーブルウエアを整えたりはしない。ダイニングテーブルに皿とスプーンを直置きしたら対面でどかっ、と座り、
「「いただきまーす。」」
ぱくり、
…こくん。
「ぁー、うまーぃ。」
シンプルで、それでいて作る側からしたらとても嬉しい言葉。
「なんかさー、簡単に作ってるように見えんのにめっちゃ美味いのすごいよね。しかもレシピとか見ずに。ヤバいじゃん。」
何お前。めちゃくちゃ褒めてくるじゃん。
実際コイツの良いところって、こういうとこだよな。決して押し付けがましくなくて、じんわり心が暖まる。
そんな言葉をナチュラルに言えちゃうの。
「…まぁ、…そりゃどうも。」
対してそんな褒め言葉に照れ隠しもあって、ぶっきらぼうに返してしまう俺。
でも、やっぱ嬉しいから、
「そいえばこの前アイス大量に買ったんだった。後で食う?」
「え、いいの?やったね、食いたい。」
おまけで食後にデザートも出してやるよ。
コメント
2件

のんのさんのご飯シリーズ大好きなんです…!なぜこんなに多幸感を味わえるのでしょうか🥹 こちらまでご馳走様です!と言いたくなります😆素敵な作品をありがとうございました✨

素敵です… 大袈裟じゃなくて良いから、美味いでも美味しいでもポッと言ってくれたら作り甲斐があるってもんです