テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#ロマンスファンタジー
百はな🍑
4,871
眠狂四郎
500
287
こはる
1,321
コメント
1件
レンティとのお茶会、めっちゃ緊張感あってドキドキしながら読んだよ…!「毒の色みたい」って言葉、リィラに探り入れてるのか、それとも本当に毒に興味があるのか、どっちなんだろう🤔💭 アレンがレンティの執事だったのも意外で、ゼンティが「気をつけて」って言った意味が気になる…! 続きがすごく気になる回でした🌙
次の日の朝。ゼンティの部屋で朝食を終えたリィラの元にアレンがやってきた。
アレンは黒いスーツ姿で、近衛兵としての任務以外では執事として働いているらしい。
ちなみにヒメは形式上、ゼンティのペットの子犬として室内飼いされている。
「リィラ。レンティ様が自室に来て欲しいとの事だ」
すっかりアディール城の従事者になりきっているアレンは、獣魔王の妃であるリィラに対してタメ口のままだった。
「私がレンティさんの部屋に? なんで……?」
不思議に思ったリィラがゼンティと顔を合わせると、なぜか彼にいつもの笑顔はない。
「リィラちゃん、レンには気を付けて。アレン、リィラちゃんを守ってね」
「はい、承知しました」
ゼンティとアレンの、そんなやり取りにも違和感を覚える。昨日のレンティを見る限りでは、そこまで警戒が必要な人には見えなかった。
アレンに連れられてゼンティの自室から出ると、そのまま廊下を直進する。レンティの部屋は意外とすぐ近くにあった。
ドアを開ける前に、アレンはリィラに向かって小声で伝える。
「心配するな。オレが守る」
「……ありがとう」
何の心配だろうか。まるで決死の突入みたいな緊迫した顔で言うものだから反応に困る。だが確かにアレンに守られるのは頼もしくて安心感がある。
アレンはドアを数回ノックしてから部屋のドアを開けた。
「レンティ様、失礼します」
アレンの後ろに続いて部屋に入ったリィラは、まず部屋の内装を確認する。
センティの部屋と同じく金や銀色の家具で煌びやかだが、カーテンやソファなどの布製品はピンクが基調で柔らかい印象で可愛らしい。
小さな丸いテーブルの上には二人分の紅茶が用意されている。すでにレンティが席に座ってリィラを待っている。
「ようこそ、リィラさん。あなたとお話がしたくて。さぁ、どうぞお座りになって」
言われるままに、リィラはレンティの向かい側の席に着席する。
アレンは退室せずにレンティの後ろに立って控える。それを向かい側で見たリィラは不思議に思った。
「あれ? アレンさんって……」
「アレンは私の専属執事ですのよ。口は堅いので気兼ねなくお話くださって結構ですわ」
(アレンさんってレンティさんの執事だったの? 知らなかった……)
どちらかと言えば、アレンはセンティの執事かと思っていた。アディール王国の情報を何も知らないリィラは意外な関係に驚く。
「ねぇ、リィラさんはおいくつでいらっしゃるの?」
レンティは上品な所作で紅茶を口にしてから真っ直ぐにリィラを見据えた。センティと同じスカイブルーの瞳の引力に吸い込まれそうになる。
毒の里で一人で生きてきたリィラにとっては貴族とのティータイムなんて初めてで、ティーカップを持つ手が震えてしまう。
「18歳です……あ、18歳だと思います、たぶん」
リィラは記憶喪失の設定なので、年齢を断言してはまずいと思って曖昧に言い直した。
「センティお兄様は20歳、私は17歳なので、私よりはお姉様ですのね」
どうやらレンティはリィラに探りを入れている様子だった。それは当然だろう。見ず知らずの記憶喪失の女が兄の結婚相手だと言われたのだから。
それはリィラも同じで、レンティの情報をなるべく多く入手したい。ゼンティは何も教えてくれないのだから。
まずはセンティとレンティは3歳違いの兄妹だと分かった。
「リィラさんの髪と瞳の紫色……まるで毒の色みたいですわね」
「……え?」
リィラはまさか、髪と瞳の色で毒を連想されるとは思っていなかった。確かに珍しい色ではあるが、そう思ったとしても普通は口にしない。
その意図を考えた時に、リィラの防衛本能が働いて警戒心を強める。レンティはリィラを敵視しているかもしれないと。
かと思うと、レンティはふわりと柔らかい笑顔で微笑んだ。
「私、毒や毒花に興味があって、研究もしてますのよ」
なぜ、わざわざそれを伝えるのだろうか。もしかしたらリィラが毒の種族だと気付いているのかもしれない。
いや、そうだとしたら、毒を持つ者と一緒にお茶をしようとは思わないだろう。