テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#リゼロ
すず
804
41
🍙
2,338
33
コメント
1件
うわ、めっちゃ重い回だった…! 二十三万対三万の完全包囲、しかも蒼厳が「自ら戦わないのに戦況を支配する」ってのが怖すぎるよ。なおきりの「断る」一言で再び闘志が宿るシーン、かっこよかったけど、同時に絶望感もすごかった。龍哭谷に逃げる決断も、蒼厳の「その方が早い」って台詞が不気味で…この先どうなるんだろう、目が離せない😭🤍
第54話『蒼天包囲陣』
北西平原。
虹国軍三万。
黒牙軍八万。
蒼厳軍十五万。
総勢二十三万による完全包囲。
絶望的な戦況だった。
それでも。
なおきりは降伏を拒否した。
「断る。」
その言葉が戦場へ響く。
虹国兵たちの顔に再び闘志が宿る。
「将軍…。」
「まだ戦うんだ。」
じゃぱぱが笑う。
「それでこそや。」
シヴァも槍を構える。
「最後までやる。」
しかし。
蒼厳の表情は変わらない。
蒼厳将軍。
『蒼天の統率者』。
彼は静かに旗を上げた。
それだけだった。
だが。
次の瞬間。
二十三万の黒龍軍が一斉に動く。
ドドドドドドドド!!
大地が震える。
左翼が前進。
右翼が迂回。
中央が圧迫。
完璧。
無駄が一つもない。
じゃぱぱが顔をしかめる。
「なんやこれ…。」
今まで見たことがない。
兵士一人一人が。
まるで蒼厳の手足のように動いている。
シヴァが叫ぶ。
「左翼後退!」
しかし遅い。
既に回り込まれていた。
「なっ!?」
虹国軍左翼が崩れる。
続いて右翼。
中央。
全て同時だった。
蒼厳はただ見ているだけ。
自ら戦わない。
それなのに。
戦況は完全に支配されていた。
黒牙が苦笑する。
「相変わらず化け物だな。」
副官が頷く。
「蒼厳様は別格です。」
黒牙ですら認める存在。
それが蒼厳。
なおきりは戦場を見渡す。
まずい。
このままでは一時間も持たない。
その時。
じゃぱぱが馬を走らせてくる。
「なおきり!」
「このままやと全滅や!」
なおきりも分かっている。
だが。
逃げ道はない。
すると。
シヴァが地図を広げた。
「一つだけある。」
二人が見る。
シヴァは北側を指差した。
そこには険しい峡谷。
『龍哭谷』。
虹国でも危険地帯として知られる場所だった。
「ここへ退く。」
じゃぱぱが驚く。
「正気か!?」
龍哭谷は天然の要塞。
だが。
入ったら最後。
逃げ場もない。
シヴァは答える。
「今のままよりマシや。」
なおきりは考える。
そして決断した。
「全軍。」
「龍哭谷へ後退!」
号令が響く。
虹国軍が動き始める。
しかし。
その動きを見た蒼厳が初めて微笑んだ。
本当にわずかに。
副官が尋ねる。
「追撃しますか。」
蒼厳は首を振る。
「いや。」
「行かせろ。」
副官が困惑する。
蒼厳は龍哭谷を見つめていた。
「その方が早い。」
その言葉の意味を。
誰も理解できなかった。
そして。
虹国軍三万は龍哭谷へ向かう。
だが。
それは希望への道ではなく。
さらなる罠への入口だった…。