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コンビニの入店音、よく聞き、もう慣れた音
今日も何も起きることもなく一日を過ごす、と思っていた。
「すいません」
「はぁい」
品出しをしていると、レジの方から声をかけられる、多分会計だろう。
「遅れてすみません、会計しますね」
待っていたのは可愛らしい少女だった、とは言っても同年代くらいだろうか?身長が低いだけなのかも知れない。
…
「950円ですね」
「ちょっと待っててくださいね」
…
……?
財布を出すのも時間がかかり、お金を探すのも戸惑っていた。
「え〜っと…」
「君、大丈夫?」
と、訊いてみることにした。
「すみません💦私目が見えなくて!💦」
「…ちょっと財布貸して」
「は、はい」
躊躇ないのか、危なっかしい子だ。
…ぎりぎり足りない
「ちょっと待っててね」
「わ、分かりました💦」
ガチャッ
「店長〜財布どこ置いたっけ」
「知るかよ自分で探せ」
「使えねぇ店長〜、せめて監視カメラくらいは見てくれよ」
「お前よりは動いてる!!」
何か言ってるが気にはしない。
「ああったあった、てんきゅ〜」
「何に使う気だ」
「ひ〜みつ」
ガチャッ
「…まいいか、あいつのおかげでここのコンビニあるし」
「待たせたね、え〜っと」
950円、だが五千円を出すことにした。
正義感とか、可哀想とかそういうのじゃない
ただ、優しくしたい、そういう思いがあった。
「はい、お釣り」
分かりやすく、手をこちら側に寄せて渡した
「え、な、なんだか多くないですか!?💦」
「大丈夫だよ、合ってる」
「本当にありがとうございます…いつもは友達がいるんですけど今日はいなくて…」
「なるほど、帰り道気をつけてね」
「はい!あの、お名前訊いても…」
「…沙汰、櫟沙汰」
「!!!」
「ありがとうございます!!」
目は見えない、のに、自分でも見惚れてしまうほどの笑顔を向けられ、出ていった。
「…名前、聞いてなかったな」
タッタッタッ
「ん?」
入店音と共に近づいてくる足音、急いでいる人か?
「急いでいる、人…」
「また君か」
「名前!言ってませんでしたね!はぁ…はぁ…」
「だ、大丈夫?目見えないのにそんな急いで…」
「だ、大丈夫です!✨️」
すごい自慢げ…可愛らしい
「私の名前は夢乃彼方!」
「そうか、またこのコンビニに来な」
「はい!!」
また笑顔を見せ、出ていった、嵐みたいな人だったな…
【ここ書きたかっただけだから過程飛ばす、書いて欲しかったら書k(((】
「沙汰〜聞いてよ〜」
「バカ佳音っ離れろ暑苦しい」
「あはははっ、仲良いねぇ2人」
「大丈夫か?彼方、こいつ距離感ないやつで」
「私は大丈夫だよ」
ほんとに仲良いなぁ2人とも、沙汰くんと繋いでる手が離れてしまいそう
…あれ?
なんだろ、この気持ち、確かに私は沙汰くんの事が気になってる、けど、なんだろう。
手を繋いでて、目の前にいて、優しい声で声をかけてくれるのに。
なんで、遠くにいる存在に感じてしまうんだろう…見えないから、なのかな
手は繋いでるのに、目が見えないせいで、遠くにいると感じてしまう…
「…?」
「どうした?彼方」
へっ?
あっ、強く握っちゃってた。
「何でもないよ!ちょっと考え事しちゃってて!」
「そっか、なら帰るぞ」
「うん」