🧡「阿部ちゃん、口開けて……」
康二の舌が、俺の唇を割った。
耳慣れないイントネーションで、甘い囁きをくれる康二は、いつもこの時だけは男らしく、目の力も強くてどきどきする。
夜のシティホテルで、俺たちは愛を交わしていた。
めめにずっと片想いをして、それが成就しないとわかってから、康二には本当に救われた。
俺の失恋話を自分ごとのように親身に聞いてくれて、康二は一緒に泣いてくれた。まさかその時は、康二が俺にほのかな恋心を抱いてたなんて知らなかった。
🧡「阿部ちゃん、可愛い。大好きや」
失恋の傷がようやく癒えた頃、康二に突然抱きしめられた。細い身体なのに、意外に力強く逞しい腕に包まれて、さすがに俺も心が動いた。
💚「ありがとう」
まだめめに会うと少し胸が痛むけど、それでもいいと康二は言ってくれた。
康二は感情が先走るタイプで、繊細だ。
俺はどちらかというと少し鈍臭くて、大雑把。
康二が落ち込んでいるのがわかっても、慰め方がよくわからない。そんな時にはこう言われた。
🧡「隣りにおって、頭ポンポンしてくれる?」
🧡「抱きしめてくれる?」
🧡「ほっぺにチューしてや」
要求がいつのまにかエスカレートして、それでもお願いの仕方が可愛いからと、つい康二に合わせていたら、いつのまにかという感じで、抱かれる側になった。
まあ、嫌ではないけれど。
康二は子犬みたいに常にまとわりついてきて、かわいらしい。愛の言葉も山ほどくれて、不足することがない。
💙「阿部ちゃん、意外だわ。阿部ちゃんてもっと落ち着いた大人が好みなのかと思ってた」
💚「ね?なんでだろね?」
康二から聞いたと、翔太が声を掛けに来た時には確かに、と思ってしまった。
康二は俺の好みとは正反対だった。
💚「はぁ………ねぇ…あんまり…舐めないで?」
🧡「だって綺麗やねんもん」
康二は行為中、しつこくねっとりと、全身を舐めてくる。胸やペニスだけじゃなくて、耳とか首とか肩とか。時にはお腹や背中まで。目に入る俺の全てを舐めたいらしい。恥ずかしいし、くすぐったいけど、まとわりつく犬って感じがしていかにも康二らしい。
だから前戯には時間がかかる。
もどかしくて、待ち切れない時は、俺が少し頑張って、康二を気持ちよくさせた。
🧡「あっ。触ったらあかん」
💚「ここ、もう爆発しそう」
康二はものを触られると、嬉しそうに腰を振った。
可愛い。
🧡「阿部ちゃん、舐めてくれたら嬉しいねんけどな…」
もう、そんなふうに言われたら断れないじゃん。
康二の下着を脱がせて、口に含む。康二は敏感で、すぐにいく。だから、あまり早くいきすぎないように、手加減して愛撫するようにしている。康二はそれがたまらないと言う。
🧡「あっ、はあっ、気持ちええ……」
💚「あは。可愛い」
空いている手で乳首をこすると、ぴくっとなって、目を閉じた。
💚「康二って、攻められる素質もあるんじゃない?」
🧡「嫌や。挿れたい…」
切なく頼む上目遣いが可愛かったので、俺は康二にゴムを付け、後ろにあてがった。
💚「挿れるね……あっ…」
中に、康二が入ってくる。いきなりいいところにあたって、俺の腰が跳ねた。
🧡「阿部ちゃん…あったかい…むずむずする。動くで?」
俺の返事を待たずに、下から突き上げてきた。ビリビリとした快感で、身体が弓なりにしなった。
💚「あん、いい…」
🧡「あ。でも、すぐ出てまうかも……」
康二の限界はやはり早い。
あっさりと達した。
それでもキスをしているうちに、すぐにまた硬くなってきた。
🧡「回数では負けへん」
何と戦ってるのかわからなくて、笑った。
そしてすぐに動き始める。 体位を変え、今度は康二が上になった。 康二が好きなペースで腰を振る。だんだんと俺も途切れ途切れだった快感が持続してきた。
💚「はぁっ…はぁっ…いきそ……」
🧡「俺も、また出る……っ」
ほぼ同時に発射し、康二が俺の上に体重を預けた。
💚「こうじ……重い…」
🧡「ごめんな…あんまり気持ちよくて…」
そう言ってキスをすると、康二は横にずれた。つぶらな瞳で謝られると弱い。つい何でも許してあげたくなってしまう。兄弟の下の者の特権だろうか。
別れ際はいつも泣きそうな顔をする康二。俺の朝が早いせいで、夜に別れることが多い俺たち。康二は、ぎゅっと俺を抱きしめると、必ずその場で次にいつ会えるか予定を立てるのだった。
🧡「わかった。ほんなら少し空くけど、阿部ちゃんおかずに、何遍もオナニーしとく」
💚「そういうの、俺に言う?」
🧡「あかんかった?」
俺はいつも笑わされて、いつしか別れの寂しさはなくなっているのだった。
おわり。
コメント
7件
やばい一番好きなんですこの2人!!まきぴよさんのあべこじr18読めるなんて思わなかったから嬉しい!!
今日こじあべデーじゃないすか先生🥺❤️
🧡💚もよき✨✨