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#さのその
#BL
_1x1a
191
#さのじん
テスト返ってきたー!!
数学1桁で萎え🥲︎
それでは👋🏻゙
勇side
翌日
俺の通う高校の教室は、朝から蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。
それもそのはず、今朝俺と一緒に家を出て、同じ門をくぐって登校してきた居候――吉田仁人が、なんと俺のクラスに転校してきたからだ。
「おい佐野、お前と一緒に住んでるあの綺麗な奴、マジでヤバいぞ……」
幼馴染でヤンキー仲間の太智が、呆れたように指差す先。
教壇に立つ仁人は、品のある笑顔で「よろしくお願いします」と一礼した。
教室中の女子から「可愛い……!」と一斉に黄色い悲鳴が上がる。
家でのあの猫特有のドタバタを知っている俺としては複雑な気分だったが、仁人は席に着くなり、俺の方を向いて嬉しそうにパタパタと手を振ってきた。
だが、そこからの学校生活は、俺にとって地獄そのものだった。
自慢じゃないが、俺はこれでも街一番のヤンキーで、なぜか女子からの人気が無駄に高い。
仁人が俺の席に話しかけにこようとするたび、それを遮るように大勢の女子たちが俺の机の周りに群がってきた。
「佐野くん! 今日の放課後空いてる?」
「ねぇねぇ、髪型変えた? かっこいい!」
キャーキャーと響く高い声。
押し寄せる人間の波。
香水の匂い。
――忘れていた。
俺は、極度の「女の子恐怖症」だ。
勇「……っ、やめ、ろ……」
声を絞り出すが、女子たちの騒ぎ声にかき消される。
視界がぐにゃりと歪み、酸素が上手く吸えなくなる。
心臓が痛いほどバクバクと暴れ狂い、頭が真っ白になった。
勇「は……あ……っ、げほっ、ひゅ……っ」
過呼吸だ。
完全に限界を迎えた俺は、群がる女子たちを突き破るようにして、無我夢中で教室を飛び出した。
どこでもいい、人間のいない場所へ。
冷たい冷気が漂う、体育館裏の古い「備品倉庫」へと転がり込み、ガタガタと震えながらドアを閉めた。
勇「は……っ、あ、……っ、ひゅ、……っ」
膝をつき、胸を掻きむしる。
パニック状態の今は、人間の姿を見るだけで、その輪郭や視線が恐怖の対象になってしまう。
誰も来ないでくれ、人間を俺に見せないでくれ、と目をきつく閉じた、その時。
ガラッ、と倉庫のドアが開いた。
勇「ひっ……!? くる、な、見るな……っ!」
入ってきたのは、俺の後を必死に追ってきた仁人だった。
俺が狂ったように首を振るのを見て、仁人は一瞬ショックそうに目を見開いた。
だが、すぐに何かを覚悟したような強い目になる。
仁「勇斗、待ってて。……今、助けるから」
仁人は倉庫の隅にあった清掃用の流し台へ走ると、バケツに溜まっていた水を、ためらうことなく自分の頭から思い切り被った。
バシャァァァンッ!!!
勇「……え?」
水飛沫が舞う中、ポフッ、と静かな音が響く。
濡れた制服が床にバサリと落ち、その中から、水に濡れて少し小さくなった「白い子猫」がひょこっと顔を出した。
夜中の0:00じゃないと戻れないはずなのに。
俺のパニックを沈めるために、仁人は自ら進んで、あえて気味悪がられると言われた「猫の姿」になったんだ。
仁「みゃあ……ん」
子猫になった仁人は、俺に恐怖を与えないよう、ゆっくり、ゆっくりと床を走って近づいてきた。
*そして、過呼吸でガタガタと震える俺の冷え切った手の甲に、自分の小さな、温かい肉球をそっと重ねた。
仁「にゃお……」
語りかけるように、仁人は俺の手に頭を何度もすりつけ、ゴロゴロと喉を鳴らす。
人間の姿を見るのが怖かったはずなのに、この小さな白いぬくもりだけは、すーっと俺の心に染み渡っていった。
勇「……ひと、……ありがと、な……」
仁人の小さな体を両手ですくい上げ、濡れるのも構わずに胸にぎゅっと抱きしめる。
規則正しい小さな鼓動と温もりに包まれているうちに、激しかった呼吸が、少しずつ、少しずつ穏やかなものに戻っていった。
薄暗い倉庫の中、俺は腕の中の愛おしい子猫を、ただただ静かに抱きしめ続けていた。
fin
コメント
3件
自分から猫になって助けるの、好きすぎる😭
もう…泣きそうになりました🥲💧 女の子恐怖症のパニック描写がすごく生々しくて、読んでるこっちまで息苦しくなったんですけど、そんな中で仁人が自分の嫌がる猫の姿になってまで勇斗を落ち着かせようとした選択が、本当に愛おしくて。 あの小さな肉球が手の甲に重なるシーン、静かな優しさが胸に沁みました…。 「気味悪がられる」って分かっててやる覚悟、尊すぎる。 mo-さんの書く“優しさの形”って、いつも不器用で切なくて、でもちゃんと温かい。 続き、めちゃくちゃ気になります🌙🤍