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足が、心臓が、冷たい。

空気が冷えて、涼しいというより寒い。

無我夢中で、追走を振り切って。

ただ目的地は一つだけ。

何よりも、呪った場所。

何よりも、幸せだった場所。

ただ、一目会いたいだけなのだ。

もう一目だけ。どうか、どうか。

墓荒らしなど褒められたことでない。

でも、どうか、今だけは。

安置されているその綺麗な棺に目をやる。

蓋を開け、眠る者と対面する。

とても、数年前に死んだ存在とは思えなくて。

生きてた頃のままで。

思わず頬を撫でた。

「…姉上。」


ジーク(くそっ…思ったより時間がかかった。どんだけ警戒深いんだ、あの人…。やっと宝物庫に入るチャンスは生まれたが…)

宝物庫に入ったまではよかった。しかし、この山からどう探したものか。それにどこか違和感がある。

ジーク「…安物しかない…?」

(罠か…?それとも黄金の宝物庫は、絵本上の話なのか?)

ジークは額縁に飾られてる、とても上手いとは言えない似顔絵を見上げる。

ジーク(…罠では無さそうだ。)

ジーク「お、あった…。」

ジークは辺りを見回して、目的の物を見つける。

ジーク「これが例の装置か…。」

それはどこか思っていたよりも、半円型だというのに厳つかった。

ジーク「ベータ版ってとこか。」

ジークは渡された設計図の通り、ボタンを押していく。しかし、何も起こらない。

ジーク「…あれ?」

(間違えたか?)

もう一度順番通りにボタンを押す。しかし何も起こらない。

ジーク(この設計図が偽物…はない。コフリーが1回こっそり試したって言ってたし…)

順番通りにボタンを押す。しかし何も起こらない。

ジーク「まさかこれだけ違うとか…」

(でもアマラ達は断言してた。)

順番通りにボタンを押す。

ジーク「おいおい、嘘だって言ってくれよ…!」

順番通りにボタンを押す。順番通りにボタンを押す。順番通りにボタンを押す。順番通りにボタンを押す。ボタンを押す。ボタンを押す。ボタンを押すをボタンを押す。ボタンを押す。ボタンを押す。押す。押す。押す。押す。

ジーク「レプ…リカ…。」

(今すぐ、アリィ達に伝えないと行けない。これは…デコイだ。まずい、早く)

「ご明察。」

すぐ後ろから、低い貫禄のある声が飛ぶ。だが、その声は酷く穏やかで。そのせいで、分かってしまった。分かりたくなかった後ろの者の正体が。この状況でこの余裕を出せる者など、たった1人しか居ない。

「おっと、すまない。私としたことが、挨拶をしていなかったね。私の名は、クリフ・アルド・トーチアス。君と話がしたい。」

ジーク(こんなの、どうしろって言うんだ。)

ジークは両手をあげ、投降の意を示す。


ー第3段階、失敗。

ージーク、投降。


アリィ(もっと、もっと早く、もっと早く、お願い、もって…!私の体…!)

アマラ「おい、大丈夫か?アタシが抱えて…」

アリィ「まだ大丈夫…。でももう長くないと思う。私が気絶したら、担いでいって。」

アマラ「ああ…え、えっ!?気絶!?」

コフリー「2人ともお疲れ。まだジークが戻ってないが…」

アリィはその場に膝をつき、胸を抑える。

アマラ「お、おい、だいじょ…」

アリィ「…後は頼んだよ…。」

それだけ言い、アリィは気を失う。

アマラ(死んだわけじゃない。苦しんではいるが…どこかに怪我をおったわけでもない。気にはなるが、ただの気絶と考えた方がいい。ならやることは)

アマラ「コフリー、アレをどうにかしろ。」

そう言って顎で、メシュエネの兵士を指す。

アマラ「お前はアレの戻し方を知ってるはずだろ?かつての仲間なんだから。」

(頼む…そうだと言ってくれ…。)

コフリー「…少しだけ訂正してもらおうか。」

アマラ「…は…」

コフリー「今でも大切な仲間だ。だから、止める。」

アマラ「誤解を招くようなこと言いやがって…」

コフリーは腰に携えていた剣を抜く。そして、その剣をまっすぐ、メシュエネの兵士に向ける。

コフリー「お久しぶりですね、隊長。一方的な戦いは褒められたものじゃありませんよ。私がお相手しましょう。アロン・ウィクトー。」

そう聞き馴染みのない言葉を口にする。

隊長「…帰ってきたのか。そうかそうかそうか!…ザックス・セクメト。」

ひとしきり豪快に笑ったあと、またもや馴染みの無い言葉が飛び交う。そしてようやく理解する。これはメシュエネの風習だ。名乗りあげている。

アマラ「おい、それは…」

アロン「死ぬつもりは無いし、殺すつもりもない。ただ、こうすれば君達に被害は及ばない。」

アマラが心配そうに見上げる。それもそうだ。そのメシュエネ特有の風習は、一切横槍を許さない一騎打ち。相手が死ぬか、降参を認めるまで続く戦い。

アロン「身を焦がしてしまいたくなるように、愛して忠誠を誓った相手がいてね。そのヒトの為なら、私は本当になんでも出来てしまう。なに、彼を止めるのは今回が初めてじゃない。ただ、短時間でというのは少し厳しいな。だから、逃げてくれ。」

ザックス「口上は終わったか?さぁ、早く戦りあおう!お前とまた戦えるのをこっちは楽しみにしてたんだぞ?まだお預けなんて言わないよな?」

アロン「もちろん、メシュエネが昂るほどの強敵と認めてもらえるなんて、君達は幸運者だな。」

アマラ「不幸者の間違いだよ!後は頼んだぞ…ええと…」

アロン「どちらも私なことに変わりない。好きな方で。」

アマラ「じゃあ任せたぞコフリー!」

アロン「ああ。」


ー第3段階失敗

ージーク、消息不明

ーアリィ、気絶

ー王室直属兵団副隊長アロン、戦闘参加。

ポルポルは今日もお腹が空いている

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