「その……すごく良かった」
素直に 音井(おとい)さんの歌の感想を口にした。
「こういうオペラみたいな歌、好きだなぁ」
「どのへんが?」
「えっと……」
「楽しいそうなトコ!」
「あと、歌が好きなんだなぁって伝わってきた」
「なーんて、なにを偉そうにって……えっ!?」
「…………」
音井さんは、一筋の涙を流していた。
第9話 好きってなんですか?③
「音井さん!?」
「来ないで!」
「でも……」
音井さんは鞄を持って走って行ってしまった。
「もしかしなくても、変なこと言っちゃった?」
「あっ、学(まなぶ)!」
教室に入ると、話したい相手はすでに登校していた。
今の世の中、電話でもメールでも、簡単に話ができる。
でも、直接聞きたかった。
「おはようっす。どうした?」
「おはよう。音井さんのことなんだけど……」********
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