※しゆんくん目線💚
💚「は?!」
なんでてるとが泣いてるんだ?!
あの人何しやがった?!
💚「てるとっ!!」
💛「あれー、おにーちゃん来ちゃった。
自分の訓練はどうした?」
💚「てるとに何したんですか?!
てると?大丈夫か?」
相変わらずてるとは泣きじゃくってる。
💗「グスッグスッ・・・」
💛「戦闘タイプの話をしてただけだよ。
しゆんとは違うよって。」
💗「ぼくはおにーちゃんとは違うんだってッ・・・」
💚「てるとはどんなタイプなんですか?」
💛「んー、五分五分かなぁ。
それかちょっとだけ魔術派だと思う。」
なんとも言えない。
こればっかりは。
戦闘タイプは先天性のものだ。
てるとは理解出来ないのだろう。
自分がなんで俺と同じじゃないのか。
困った。
でも体術は訓練すれば伸びる。
💚「てると?兄ちゃんと違うのは気にしなくていい。
体術なんて訓練すればどうにでもなる。
お前はまだ7歳だろ?
ここに来る時期も他の子より早いんだ。
絶対強くなれるから。
大丈夫。」
てるとは絶対強くなる。
でも、俺だって負けない。
半年後までに魔力操作を覚えて実戦で使えるようにする。
てるとがちょっと元気が戻ったから俺は自分の訓練に戻った。
今日の結果、惨敗。
マジでムズい。
へにょへにょしか飛ばない。
途中見に来たそうまさんにまた笑われてしまった。
そもそも体内を回っているものを形にして外に出すのがキツい。
体の中で魔力が回ってるのは分かる。
だからこそなんだろうけど、何処に集中させたらいいのかが分からない。
こんなんじゃいつまでかかるのやら。
今日は魔力の使いすぎだ。
元々俺は魔力量も少ないので、そこも強化しなきゃいけない。
体が重い。
てるとも相当疲れているみたいだった。
その日は家事と宿題を済ませ、布団に倒れ込んだ。
💚(魔術派、か、・・・)
てるとがもしそうなら俺が今やっているぬいぐるみにエネルギー弾を当てるだなんて容易いことなのだろうか。
それを確かめる術は今は無い。
てるとが魔術派だと聞いた時、なんでてるとにはエネルギー弾のコントロールの練習をさせないのかを聞いた。
ただ、決まりなのだと。
10歳になるまで魔力を体外に放出させる行為は禁止されているのだと。
💚「兄ちゃんはお前の力が欲しいよ。・・・」
隣で寝ているてるとにそっと話しかける。
今日言ったことは本当だ。
体術なんて訓練すればどうにでもなる。
天性のセンスというものは時に人を苦しめる。
でも、それをわかった上で俺たちは生きていかなきゃいけないんだ。
この先もし、てるとが危険にさらされる時には俺が守る、と決めた。
俺に授けられた身体能力というものはどこまで人のためになるのだろうか。
人のため、てるとのため、その道がどれだけ苦しかったとしても絶対やり遂げてみせる。
そんなことを考えていたらいつの間にか眠ってしまった。
目を開けるとカーテンの隙間から朝の光が差し込んでいた。
また新しい1日が始まる。
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