それからは定期的に魔法界に通い、訓練の日々だった。
てるとはとにかく体術練習。
俺はエネルギー弾のコントロールの練習と体術。
実戦もする。
そんな日々が約半年。
エネルギー弾のコントロールはある程度実戦で使えるほどになった。
初めにそうまさんが示した最低ラインくらい。
これで最低だと考えると気が遠くなる。
そして、俺は今日、戦闘員として初めて任務に出かけることになった。
そうまさんと訓練している時に司令が入ったんだ。
急だったからびっくりしたけど、焦りはなくて代わりに、勝てる気しかしなかった。
不安そうなてるとの顔。
今にも泣き出してしまいそうで見ていられない。
任務が危険なものだと理解しているんだ。
その隣にはそうまさん。
沢山お世話になった。
いや、これからもなんだろうけど。
💚「・・・てると、兄ちゃんは任務に行くけど今回の相手はそんなに強いやつじゃないよ。
だから大丈夫。
兄ちゃんは人の役に立てることが嬉しい。
応援してくれるか?」
💗「おにーちゃん、・・・」
そう言って黙り込んでしまった。
そんなてるとに苦笑いしていたら、
💛「しゆん。
自信もって精一杯やってこい。
今のお前なら大丈夫だ。
サポートに入ってくれる先輩も俺の幼なじみにしておいたから。
心配しなくていい。」
そうまさんが言うなら心強い。
そんなことをしていたら仲介人の人が呼びに来た。
いざ本番となるとやっぱり緊張する。
2人に背を向けた時、後ろからてるとの声がした。
💗「・・・がんばって、おにーちゃん。」
すっげぇ勇気を振り絞ったみたいな涙声で、小さな声で。
それでも嬉しくて、本当に嬉しくて。
こっちまで泣きそうになったけど、振り返って、大きな声で言った。
💚「行ってきます!!」
夜道を先輩と急ぐ。
そうまさんの幼なじみだと言っていた人はそうまさんとは対照的にひょろひょろしていた。
名前はゆきむら。さん。
ものすごい魔力を感じる。
きっと100%の魔術派なんだろう。
いや、でも体力はいるだろ。
こんなひょろひょろでどうやって戦うんだ。
てか、この人マジで喋らねぇ・・・きまず、
なんて考えていたら目的地に着いた。
そこにはでっけぇトカゲみたいなのがいて、前右足には青紫の月のマーク。
戦闘員が派遣されるのは青紫からで紫は仲介人が特殊な道具で捕まえるらしい。
💜「俺はそこで見てるから」
💚「あ、はい、」
指さした木はた25mとほどあった。
どうするのだろうと思った次の瞬間。
ふわっ
・・・まじか。
魔力量多いと空も飛べんのかよ。
ゆきむら。さんが通ったところから青白い光の子なのようなものがこぼれ落ちる。
この人尋常じゃねぇ。
ゆきむら。さんがくるっと指を回すと結界が降りた。
結界を降ろすのは俺には結構ムズいのに。
ぼーっとしていた。
💜「くるよ」
そう言われて振り返るとトカゲが口を開けていた。
そして、
ドカァン!!
あっぶねぇ。
今のエネルギー弾なら当たってもあまり問題ないくらい威力は低い。
スピード特化の攻撃。
まぁ、俺の方が速いだろうけど。
素早く動く。
💜「・・・へぇ」
トカゲは俺を見失ってキョロキョロしてる。
💚「スピードは攻撃だけかよ。」
飛び上がって背中に蹴りを入れる。
痛がってる間に素早く3発核に蹴りを入れた。
トカゲは石になった。
💚「よっわ。」
体感、紫の奴と変わらん。
💜「ちょっと」
💚「はい?」
💜「僕にも任務入ったから。
君、見学。」
完璧な魔術戦をこの目で見るんだ!!
とてもワクワクした。
連れて来られた場所に居たのは後頭部にエメラルドのマークがあるダークメイトだった。
確かエメラルドって水色の1個下だよな?
そんな強いのかこの人。
結界を降ろし、ゆきむら。さんが右足を下げる。
足の下に魔法陣のようなものが浮かび上がり、敵の後ろに瞬間移動。
ノーモーションでゆきむら。さんの周りにエネルギー弾が現れる。
そのエネルギー弾は小さいけど鋭くて速くてあっという間に核に当たっていた。
気づいたら石になってた。
開いた口が塞がらない。
あぁ、俺めっちゃ弱いわ。
💜「なにしてんの。 帰るよ。」
こうして記念すべき初任務が終わった。
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