コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
電気が消えた。停電だ。
世界各地で起こっているらしい
夜なのに。
終わる。世界が終わる。
でも、弟だけは助けたい。
一体どこに?
僕がいる、光る時計の前に。
どうやって?
わからない。でも救わないと。
救ってあげないと。たくさん救われてきたから。
ねぇ、耳を澄まして?
…
僕の思った通りに耳を澄ます。
その行動は間違いだったかもしれない。
まだ、生きててほしかったかなって。
救いたかった。ほんとうだ。
これまで助け合って来たから。
今、絶対に救いたかった。
そう思っていたのに。
僕の耳からは。
扉が”バタン”と閉まり
“ドスンドスン”と歩いている
悲鳴は一切”なかった”。
明らかに弟じゃない。
扉の向こうに何かがいる
…そして、扉の向こうに弟は居ない。
僕は全てを諦めようとした。