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第13話:おぼえてない、でも投稿されてる
ミユはそのレビューを見て、息をのんだ。


──《最近ハマってるのは、あんバターサンド。

中学のとき、放課後に毎日食べてた味に似てる。

売ってるのは、あの商店街のはしっこのパン屋さん。

名前は……なんだっけ? 水色の看板のとこ。》


投稿者は「ユメ」だった。

でも、ユメはそんなこと——言ってたっけ?


スマホを手に、ミユは思い出す。

1年前の春、たまたま寄ったパン屋の帰り道、

ふたりで歩きながらミユが話したのだ。


「ここさ、昔ユメが好きだった味に似てない?

あんバターって……ほら、あの水色の看板のとこで買ってたやつ」


ユメは笑って「えー、そんなのあったっけ?」と返していた。

記憶に残っていたのは、ミユの方だった。


「……これ、私の言葉じゃん……」


NaPointのレビューは、まるで“ふたりの会話”を覚えていたみたいだった。


ユメは隣で、スマホを見つめていた。

何も言わない。眉が少しだけ寄っていた。


「……覚えてないけど、私が書いたことになってる」


それだけつぶやいて、彼女はスマホの電源を切った。

スクリーンが消える音が、やけに重たく響いた。


その瞬間、ミユは気づいた。

——ユメの“名前”は、ユメ自身よりもユメを知っている。


でもそれは、ユメじゃない。


そう思ったら、

少し、寒くなった。

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