テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する





丈×鼓一朗


放課後の教室。

夕日が差し込んで、机の影が長く伸びていた。クラスのほとんどは帰っていて、残っているのは丈と鼓一朗だけ。


「お前、まだ帰んねーの?」丈が机に腰を掛け、ニヤリと笑う。

「プリント仕上げんの忘れてただけだよ。お前こそ、なんで残ってんのさ」鼓一朗は少し眉をひそめながら、シャーペンを走らせる。


「別に〜。たまたま」

丈は鼓一朗の机にずいっと身を乗り出し、手元を覗き込む。

「…うわ、字ちっさ。俺こんなん無理」


「触んな!」鼓一朗はプリントを隠すように体を反らす。

でも、丈はわざと鼓一朗の肩に手を置いて動きを止めた。


「なにビビってんの?俺がなんかすんの、怖い?」

挑発するような笑み。冗談のはずなのに、距離が近すぎて鼓一朗の心臓は跳ね上がる。


「っ…別に、怖くねーし」

強がる声が少し震えているのを、丈は逃さない。


「へぇ?」

丈はさらに近づいて、鼓一朗の耳元で小さく囁いた。

「じゃあ、この距離も大丈夫ってこと?」


吐息がかかって、鼓一朗は反射的に肩を震わせる。

「バ、バカ!離れろよ!」と反発しながらも、頬はほんのり赤い。


丈はニヤニヤしながら、鼓一朗の反応を楽しんでいる。

「やっぱ可愛いな〜。…なあ、もっと反応見せてよ」


鼓一朗はプリントを握りしめ、視線を逸らす。

「……マジで、調子に乗んなよ」

声は低いのに、耳まで真っ赤になっているのを丈は見逃さない。


丈の胸の中で、イタズラ以上の何かが芽生えていくのを、自分でも止められなかった。




蒼士×光希

サッカー部の練習後。

汗でシャツが張り付き、部室の中は熱気でむわっとしていた。


「は〜疲れた!」蒼士はタオルを乱暴に頭にかけて笑う。

その隣で光希は静かにジャージのチャックを下ろし、丁寧に畳んでいた。


「お前、いっつも几帳面だよな」蒼士がひょいと覗き込む。

「……普通だろ。蒼士が雑すぎんだよ」光希はそっけなく返す。


「はいはい〜」と蒼士はふざけながら、光希のジャージをわざと乱暴に引っ張って崩す。


「おいっ!」光希が慌てて直そうとする瞬間、蒼士はその手首を掴んで止める。

「……なにすんだよ」


「真面目すぎて、ちょっとからかいたくなんだよな」

蒼士の笑みは軽い。でも、近い距離からの視線は妙に真剣で、光希は思わず息を止めた。


「離せって」光希は手を振り払おうとするけど、蒼士の握力は強い。

「やだ。……お前が俺の方、ちゃんと見るまで」


光希の頬が一気に赤くなる。

「なっ、なに言って──」


蒼士はニヤッと笑い、さらに近づいて耳元に囁く。

「こういうの、嫌いじゃないだろ?」


心臓が跳ねる音が、二人の間に響いてしまいそうだった。

光希は必死に視線を逸らすけど、蒼士の手は離さない。


「……俺、逃がさないから」

その言葉に、光希の中で抗えない熱が広がっていく




loading

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚