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ダイキに告げられたまっすぐな想い。それ以来、彼の言葉がずっと頭から離れない。でも、陽翔のことも気になるし、私の中で色々な気持ちがぐるぐると渦巻いている。なんか、これが「恋愛」ってやつなの?いや、私にはまだわからない。
今日の授業中も、全然集中できなかった。ノートを取ろうとしても、つい昨日のダイキとの会話を思い出してしまう。さらに陽翔の視線を感じる気がして、心臓が落ち着かない。これじゃ、授業どころじゃないよ…。
昼休み、リリカが私の席にやってきた。彼女は私の心をすべて見透かしているかのように、ニヤリと笑う。
「ヒメ、どうせダイキと陽翔のことで悩んでるんでしょ?」
私が答える前にそう言ってくるんだから、ほんと、リリカは鋭い。
「うるさい……………。別に悩んでないし」
私はとぼけてみせたけど、リリカには通じない。
「はいはい。で、どっちが好きなの?ダイキ?それとも陽翔?」
彼女はストレートすぎる質問を投げかけてきた。私は思わずむせ返りそうになる。
「ちょ、ちょっと待って!そんなの、まだわからないよ!」
私は慌てて答えると、リリカは笑いながら「まぁ、そうだよね」と軽く流した。
「でもさ、ヒメ。いつまでも迷ってると、二人とも遠くに行っちゃうかもよ?」
リリカのその一言が胸に刺さる。確かに、今のままじゃどっちの気持ちにも答えられないし、何も進まない。
その日の放課後、私は一人で図書室に向かっていた。勉強に集中して、少しでもこのモヤモヤを忘れようと思ったからだ。 あと、授業全然集中してなかったからさ、ヤバいってのもあるけど。
でも、図書室に入った瞬間、私は思わず足を止めた。そこには、陽翔が一人で座っていたのだ。彼も勉強をしているようだったけど、私が入ったことに気づくと、目を上げてこちらを見た。
「ヒメ」
陽翔が私を呼ぶ。その声はいつもより少し柔らかく感じた。
「…勉強?」
私はぎこちなく話しかけると、陽翔は軽く頷いた。
「うん。でもさ、ちょっといいか?」
彼は珍しく、自分から話を切り出してきた。
「え、何?」
私は隣に座りながら答えた。陽翔は少し黙ったあと、ゆっくりと口を開いた。
「最近さ、ヒメと話す機会が増えてるよな。で、なんか…不思議なんだよ」
「不思議?」
私は思わず聞き返した。
「うん。俺、あんまり誰かと深く関わるタイプじゃないけど、ヒメとは気楽に話せるんだよな。だから、なんか特別な感じがして…」
陽翔がそう言いながら視線を落とす。
特別。そんな言葉を陽翔から聞くなんて思ってもいなかったから、私は一瞬言葉を失った。
「俺にとって、ヒメは特別だって、そう思ってる。だから、これからも…もっとお前のこと知りたい」
その言葉に、私の胸は大きく高鳴った。ダイキに続いて、陽翔までもが…。どうしてこんなに一気に色々なことが起きるの?私は何も答えられず、ただ俯くだけだった。
その時だった。図書室のドアが開き、そこにダイキが立っていた。
「お、ヒメ。探した探した」
ダイキは陽翔と私を見て、少しだけ険しい表情をした。
「…なんだ、陽翔も一緒か」
その声は、いつもの明るい調子より少し低く聞こえた。
「ダイキ…どうしたの?」
私は慌てて聞いたけど、ダイキは軽く肩をすくめてこう言った。
「いや、ヒメに伝えたいことがあったんだけど、まぁいいや。後でにするよ」
そう言って、ダイキは笑ってみせたけど、その笑顔がどこかぎこちなく見えた。
私の中で、二人の姿が交差する。陽翔のまっすぐな言葉。ダイキの優しい笑顔。そのどちらもが、私の心を強く揺さぶった。
「私、どうすればいいんだろう…」
図書室の窓から見える夕日を見ながら、私は一人で呟いた。 これは…これは…。なんて表現したらいいのでしょう!?