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449
SS
約1000文字
sypgr
マフィアパロ、ド捏造
syp視点
「……私の意見は以上だが、何か質問はあるか?」
暗い部屋。
テーブルクロスの上に綺麗に並べられた特製ワインは勿論毒入り、それを見抜いてボスはグラスに口をつけていない。
取引先のこれまた汚ぇ豚野郎がいや、だかしかし、だとか。
さっさと条件飲んで取引成立させろや、こちとらボスにこんな空気吸わせるんも嫌なんすわ。
なーんて、ボスにバレたら怒られそうな本音を隠して真顔で護衛に着く。
まあきっとバレてるんだろうなとか、適当に考えながら。
「しかしお宅の領土はもう充分に広いと思うんだが、もっと広げたいのかい?」
ボスの野望に、口を挟むな。
思わず開きかけた唇を、首元のファーに埋めて隠す。
ぴくりと片眉をあげたボスが、先程よりも低い、もはやがなり声と言えるほどの声でこう告げた。
「私の夢はここら一体を領土にする事なのでね」
ごくりと生唾を飲み込み、その後冗談が上手い方だ、とかなんとか笑い飛ばした奴を今すぐに蹴り飛ばしたい。
ボスなら、グルさんなら出来る。
出来る、というよりは、確定している。
その未来が。
あとは実行して、俺たちがどうにかすればえぇだけ。
それを冗談と受け流してきた奴らは、真っ先は消えていった。
ほぅ、と口角をあげてにやりと悪どい笑みを浮かべるボスの背中をとん、と叩き合図する。
「ショッピ」
__反射的だった。
名前を呼ばれた時、既に懐に入れて置いたショットガンの安全装置を外していて、後ろでボケーッと突っ立っていた護衛を撃ち抜いている。
血飛沫がボスにかからないよう顔元に手を置いた。
「…ボス」
ここから先は、ボス次第。
俺は正直殺したいが、ボスが殺すなといえば殺せない。
やっと脳が追いついたのか、今更慌てふためき土下座しながら命だけはと願う豚に、思わず口元が歪んだ。
「……ふむ、俺はどちらでもいいのだが、ショッピはどうしたい?」
珍しい、ボスが俺に委ねてくるだなんて。
目を見開きつつも、先程から思っていた心内を明かす。
「…此奴はボスの計画を冗談として受け流しました」
「処罰でいいかと」
「……好きにしろ、俺は先に帰って甘味を食べている」
甘味を食べる。
俺とボスの、合言葉。
その言葉に、思わず拳に力が入る。
さっさと終わらせて、一緒にボスと帰ろう。
「っす、ほな、お疲れ様でした」
終
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