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荻一野
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ー 注意事項 ー
・こちらはmnps様の二次創作となっております
・ご本人様や関係者様とは一切関係ありません
・この作品にはBL要素が含まれますので、苦手な方はご注意ください
ご理解いただける方は、ぜひ楽しんでいってください!
体育の時間。
今日はバスケットボールだった。
先生がルールを説明している。
みんなは頷いている。
shkだけが。
先生の口元を見つめていた。
遠い。
何を言っているのか分からない。
「……。」
先生が笛を鳴らす。
もちろん。
shkには聞こえない。
周りが動き始めて。
少し遅れて走り出した。
試合が始まる。
「パス!」
誰かが叫ぶ。
shkには届かない。
気付いた時には。
ボールが横を通り過ぎていた。
「あっ……。」
そのまま相手チームに取られる。
試合が止まる。
「ごめん。」
口の動きだけで分かった。
チームメイトが謝っている。
shkは首を横に振った。
違う。
悪いのは。
聞こえない自分だ。
休憩時間。
体育館の隅で、一人座る。
汗を拭きながら。
膝を見つめた。
昔は。
普通にできていた。
ボールの音も。
笛の音も。
友達の声も。
全部聞こえていた。
なのに。
今は。
何一つ届かない。
その時。
目の前に影ができた。
顔を上げる。
smだった。
smは隣に座る。
何も言わない。
しばらくして。
手を動かした。
『悔しかった?』
shkは笑おうとした。
でも。
笑えなかった。
少しだけ俯いて。
頷く。
『……悔しかった。』
『みんなの役に立てなかった。』
『足引っ張った。』
手話が少し震える。
smは静かに見つめる。
それから。
ゆっくりと手を動かした。
『違う。』
『聞こえないからじゃない。』
『知らなかっただけ。』
『みんなも。先生も。』
shkは顔を上げる。
smは続ける。
『知れば変えられる。』
『工夫できる。』
『一人で背負わなくていい。』
その言葉が。
胸にゆっくり落ちていく。
次の試合。
先生がみんなを集める。
そして。
笛を見せながら。
腕を大きく上げた。
「この合図で始めます。」
「止める時も、手を上げます。」
口元が見えるように。
ゆっくり説明してくれる。
クラスのみんなも頷いた。
試合が始まる。
先生が腕を上げる。
shkはすぐに動けた。
「ナイス!」
誰かが笑う。
その口元だけで。
十分だった。
授業が終わる。
体育館を出る前。
shkはsmを見る。
『ありがとう。』
smは首を傾げる。
『俺じゃない。』
『先生。みんな。』
shkは小さく笑う。
そして。
首を横に振った。
『違う。』
『smが伝えてくれたから。』
『だから、ありがとう。』
smは少しだけ目を見開く。
それから。
照れ隠しみたいに前を向いた。
耳が。
また少しだけ赤かった。
『……帰ろう。』
『うん。』
今日も二人は。
並んで歩く。
同じ速さで。
同じ景色を見ながら。
コメント
1件
うわぁ…体育の授業の描写、すごく苦しくて、でも最後にじんわり温かくなったよ。shkが聞こえないことでチームに迷惑かけたって自分を責めるシーン、胸がギュッてなった。でもsmが「知らなかっただけ」って伝えて、先生やクラスが工夫してくれる流れが優しすぎる…。口元だけで「ナイス!」って分かるって、そういう小さな変化がshkの世界を変えるんだね。二人で並んで歩くラスト、ほっとしたよ🌙