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栞ちゃんと出会って3年。颯くんと付き合い始めて1年が過ぎた。栞ちゃんとは相変わらず、学校ではよく一緒に行動している。しかし、私は放課後に颯くんとのデートが多くなってしまい、栞ちゃんと休日に会うことなんかは少なくなっている。栞ちゃんは私達がうまくいっていることを喜んでくれているし、応援してくれているから私たちのデートのことを怒ったりしない。颯くんともとても順調で私たちの距離は付き合って1年でもっと近くなった。お互いの家に泊まり合うことも増えたし、デートだって週末は必ずしている。平日は2人ともバイトが入ってしまって会えていないけれど、2人ともお互いを理解しているから、私たちの関係は良好と言っていいと思う。
私たちの関係が崩れ始めたのは栞ちゃんと出会って4年。颯くんと付き合い始めて2年が経った時だった。私と栞ちゃん、颯くんの関係が思いもよらないところで繋がった。
きっかけは、颯くんのお家に泊まりに行った日のことだった。
颯くんとは付き合い始めて2年が経つが、私は最近の颯くんの行動が少し気になりつつある。1ヶ月前のデートの日を境に颯くんはよく財布を忘れるようになったのだ。1週間前のデートの日には遅刻もしてきた。
「ごめん、遅れた」
「1時間も待ったんだよ!」
「ごめんて、あと財布忘れちゃった」
(最近、その言葉が多いな)
「分かったよ、今日は私が出すから今度返してね」
「マジで、ありがとう」
(この前の分も返してもらってないのに)
そして、今日。私はそれとなく颯くんに1週間前のデートの話題を振り、お金の方に話を持っていった。すると颯くんは今は金欠だから返せないと言った。
「ごめん、次の給料日に絶対返す」
しかし私はその返答に疑問を抱いた。今日は12月の始めの方だ。バイト代は1週間前に入ったと本人から先週聞いたため、もらって1週間で使い切ってしまったということになる。
(そんなに早く何に使ったんだろう)
私はとても不思議に思っていた。しかし、来月には返してくれるというので強く言及はしなかった。
その日の夜、いつも通り同じベットで抱き合った。しかし行為が終わった後、颯くんはすぐに部屋を出て行ってしまった。
(最近はいつもこうだ。してる時に目が合うことも少ないし、全然話してくれない)
その時、颯くんのスマホに大量の通知が来ていることに気がついた。
(ピコンピコンうるさいな)
私は通知音だけでも消そうと颯くんのスマホを手に取った。中身まで見るつもりはなかったが私は送ってきた相手を見て固まってしまった。
『S.N』
(中川栞)
私は直感的にそう思った。私と連絡を取り合っている時もこの名前のアカウントを使っている。私の中で何かが繋がろうとしていた。そして、『S.N』という人から送られてきた文面で繋がってしまった
「まだ、楓と付き合ってるの?もう別れるんじゃないの?」
私を知っていて私の事を『楓』と呼ぶ人は栞ちゃんしかいない。
私は颯くんの家を飛び出した。