私の親は船から花火玉を発射する仕事だった。
でも、私が幼い頃ある事故・事件で
確か6歳の時だった。
私の名前と同じ、” 花火 ”の事故だった。
花火を打ち上げる際、失敗して船が燃えたらしい。
しかし、お母さんは運良く船から
川に飛び降りて助かったんだ。
でも、お母さんは川で溺れてる男の子を
助けた時に身代わりになって
亡くなってしまった。
その日から私は自分の名前と共に、
花火自体も嫌いになった。
親を亡くした日から10年後の今。
私は友達とあることで揉めていた。
その、” あること ”とは花火大会の話だった。
友達は私と一緒に花火大会に行きたいらしい。
だが、私は行きたくない。
自分のトラウマに突っ込んでいく人間など
どこにいるのだろうか。
「まぁまぁまぁ、落ち着いてよ」
私と友達が揉めている時、
クラスの男子が話に入ってきた。
その男子の名前は千秋くん。
「いっつも仲良い2人が喧嘩なんてなんかあったん?」
「聞いてよ!!花火が私と花火大会行きたくないって言うの!!」
「なんか用事あるとかじゃないん?」
「それが理由を言ってくれないから怒ってるの!!」
次々と私の目の前では話が進んでいく。
「それは確かに気になるかもな….」
「ねぇ、花火!!理由、教えてよ!!!」
流石に2対1は不利だ。しょうがない….。
そう思い、私は自身の家族が亡くなった話をした。
「え…..ごめん!!私、何も知らないで聞いちゃって…」
気まずい空気に包まれると同時に
千秋くんの顔が真っ青になっている事に気がついた。
「え….?大丈夫?」
私が心配しながら声をかけると
「あ、大丈夫!!」
と、驚きながらも笑った。
だが、その笑顔は偽物だと思った。
次の瞬間千秋くんは予想外のことを言った。
「花火さ、俺と一緒に花火大会行こ」
「え!?」
私は驚きすぎてガタガタっと机を揺らしてしまった。
友達も驚いているようだった。
「私はお邪魔かな?じゃ、花火またね!!」
そう言って友達はそそくさと帰ってしまった。
何か誤解されているような気がする。
「で、返事は?」
これは…断れないような気がした。
「分かった…行く」
「よっしゃ!!」
そう言いながら千秋くんはガッツポーズをした。
「じゃ、公園のとこに集合な!!」
「分かった」
「じゃ、またな!!」
「ん。ばいばい」
千秋くんは少し嬉しげに帰って行った。
コメント
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うわぁ、めっちゃ好き🥰