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呪霊降濁

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呪霊降濁

第172話 - 第172話　麦汁

1

2024年10月03日

#呪霊

#オマージュ？

#過去一

#最高

#呪術廻戦パロ

#ゆ ~ × yunoの小説コンテスト！

伊琉夏

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伊琉夏

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#172 第172話　麦汁 / 伊琉夏

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神風の元に立つ不死のライオンは、その強大な力で紫狼を倒した。しかし、その勝利の直後、意外な事態が発生した。ライオンが苦しみながら地面に崩れ落ちたのだ。

「ライオン!? どうした、何が起こった！？」神風は慌てて駆け寄る。すると、ライオンの体からは微かな泡が立ち、まるで何かを吐き出すかのように、体が不自然に痙攣していた。

ライオンの体が膨れ上がり、次第に変色していく。「これは…麦汁（むぎじる）の呪詛だ！」透の言葉が響く。かつて紫狼が使用していた呪術の一部であり、ライオンの体にその影響を及ぼすものだった。

「どういうことだ、あの紫狼が自分の命を失っただけで、今度はお前の手に落ちたのか！」神風は困惑しながらも、ライオンを助ける方法を探ろうとする。

ライオンはついに、地面に崩れ落ち、最後の力を振り絞るようにして吠えた。その声は次第に弱まり、苦しみが増していく。

「い、いけない…どうにかして助けなきゃ！」透は焦りを感じるが、神風はその場を動かずに見つめていた。ライオンの体が小刻みに震え、周囲に微かな音が響く。

「麦汁の呪詛は、力を奪う呪いだ。ライオンの力が呪詛によって浸食されている！」朱音が声を上げ、皆の視線がライオンに集中する。

「でも、どうすれば助けられるのか…」透は焦燥感に駆られ、周囲を見回す。しかし、神風は一歩前に進み、ライオンの頭を撫でるようにして、その視線を向けた。

「ライオン、君は俺の力だ。お前がいなければ、俺は何もできない！」神風はその思いを伝えようとしたが、ライオンの目は次第に閉じられていく。

「もう、助けられないのか…」神風の心に不安が広がる。ライオンの体は完全に沈静化し、その目からは光が消えた。ライオンの最後の吠え声は、静寂の中に消えていく。

「ライオン…！」神風は叫び、手を伸ばすが、その体に触れることはできなかった。周囲にはただ静けさが広がり、戦場は死んだかのように静まり返っていた。

「もう一度…俺は絶対に戻す…！」神風は心の中で決意を固める。しかし、ライオンの死は彼に深い傷を残した。彼はその力を取り戻すため、次なる戦いに挑むことを決意するのだった。