偶然やたまたまだと言い聞かせていた今までの気がかりが、一本の糸で繋がっていくような感覚に身体から力が抜けていく。
床にへたり込みながら、新聞が挟まっていた本を恐る恐る開く。
タイトルもなく、脈絡のない文章の羅列。
(私は間違ってなどいない。この先、働き続けても手に入れられないような大金が目の前に――)
遡ってページをめくっていく。
(荷物をすり替えるだけの簡単な仕事だった。ただそれだけの)
ページを遡れば遡るほど、心臓は鼓動を速めた。
その場に自分はいなかったはずなのに、まるでその現場にタイムスリップしたかのように映像が浮かんで動き出す。
(アードルフの死罪。武器斡旋の罪。私は……なにも――)
と最後は殴り書きの乱れた字になっている。
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