テラーノベル
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続き 地雷注意
マンションのエントランスに、黒塗りのタクシーが静かに滑り込んできた。
街灯の光を反射して光るその車体は、深夜の住宅街にはあまりに不釣り合いで、どこか異質な存在感を放っている。
吉田仁人は、パジャマの上から薄手のコートを羽織っただけの姿で、エントランスのガラス越しにその様子を見つめていた。
心臓の鼓動が耳元でうるさく鳴り響いている。逃げ出すなら、今しかない。スマートフォンを投げ捨てて、明日の朝まで布団に潜り込めば、全て「なかったこと」にできるかもしれない。
しかし、仁人の足は、まるで大森の言葉に引力でも持たされているかのように、自動ドアの方へと向かっていた。
吉田(……なんで、俺は)
扉が自動的に開く。
ひんやりとした深夜の空気が肌を刺した。タクシーの運転手は無表情で、仁人が近づくと静かに後部座席のドアを開けた。
運転手「お待ちしておりました、吉田様」
その声は機械的で、まるで大森があらかじめすべてを仕組んでいたことを証明しているかのようだった。
仁人は深く息を吐き、覚悟を決めて車内に足を踏み入れる。
シートに深く腰掛けた瞬間、車内の微かな香水の香りが鼻をついた。それは、楽屋で大森の隣に立った時に感じた、甘くて少し焦げ付くような、独特の香りだった。
車は静かに発進する。
窓の外を流れる深夜の街並みが、まるでこれから始まる「別の世界」への境界線のようにも見えた。
仁人は震える手で膝を掴み、隣の席に目をやる。
そこには、運転席を挟んだ空間ではなく、すぐ傍に大森が座っているかのような錯覚を覚えるほどの圧迫感があった。
吉田(……何をされるんだろう。本当に、若井さんの言っていた意味は)
街灯が車内を交互に照らし、仁人の青ざめた横顔を浮かび上がらせる。
タクシーは徐々に、都心の中心部へ、大森の待つ「聖域」へと近づいていく…
#塩レモン
comi
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ゆ。
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omame
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コメント
1件
第6話、読みました。冒頭の「地雷注意」からもう緊張感が張り詰めてて、一気に引き込まれました。黒塗りのタクシー、機械的な運転手、そしてあの焦げ付くような香水の香り…大森の存在感が直接登場しないのに圧迫感として迫ってくるのが巧いなと。仁人の「逃げたいのに足が向く」心理描写もリアルで、読んでるこっちまで息を詰めてしまいました。この先どうなるんだろう、続きが気になります。チェストさん、緊迫感のある演出が本当に上手いですね。