清「いらっしゃい!」
瑚「おや、珍しい方々だね。」
そうして、団子屋に顔を出す。そこに居たのは鈴瑚と清蘭という月から来たあおりんご達だ。
小「只今外出中です。お団子2つ下さい!」
コアは団子をワクワクと見つめている。
清「何団子にする?」
瑚「みたらしと、3色、餡子にそれから…新作のきな粉団子もあるよ。」
パ「きな粉?」
瑚「おっ?そっちが食いつくのか、そうだよ。きな粉を団子にかけるのさ。美味しんだけどイマイチ売れが良くなくてね。」
清「語呂が良くないんだよね。どっても終わりが「こ」と「ご」だからかなぁ…」
なるほど、2人は月の民だし、きびだんごは知られてないのか。それともまだ幻想入りしてない?私も本で見ただけだしそれもあるかもね。
パ「だったらきびだんごってのがオススメよ、覚えやすいし、語呂も良いでしょう。」
すると、2人がそれだ!と言わんばかりに指を指す。
瑚&清「それだ!」
実際に言っちゃった。
その後は、三色団子とせっかくなのできな粉団子基きびだんごを買わせてもらった。
清「毎度あり〜」
瑚「また来なよ〜!」
そんな声を背に歩き始める。お互いきびだんごを手に、温泉へと目指す。
きびだんごのほのかな甘みを凝縮させ、それを噛めば噛むほど旨みが出てくる餅との組み合わせはまさにベストマッチ。
私の中でだけれど、餅は他に相性の良いものがあっても、きな粉と相性が1番良いのはお餅でしょうね。なんだかやみ付きになっちゃうわ。
小「本当に美味しいですね。でもパチュリー様はどうして直ぐにあの名前が浮かんですか?」
そこでふと、コアから質問がくる。
パ「外の世界からの本に載ってたのよ。確か『桃太郎』だったかしら?偶然拾って、そこに書いてあったのがきびだんごなの。だから私も詳しい事は知らないわ。 」
小「なるほど、小さな知識も覚えておくと得するものですね。」
パ「当然、知識において無駄はないわ。失敗も長期的に見れば成功の1部でしかないの。」
小「流石パチュリー様です。」
そんな雑談と共に、団子を食べながら歩く。思った以上に美味しいし、今度買ってきて貰ってもいいかもね。
そうしていると目の前に珍しい影が見える。
パ「アンタがここに居るなんて珍しいわね。古明地の妹。」
こ「あれれー?私が見えてるの?」
そこに居たのは人の心を読むさとり妖怪、その妹の古明地こいしだった。
こ「普通だったら私が見えない筈なのになー?」
パ「一定以上魔力に差があると特殊能力は効かないものよ。貴方が自ら隠れようとしない限りは見えるけど、そんな器用な事あなたはしないでしょう?」
こ「やろうと思わないかな。面白いことは好きだけど面倒くさいことはちょっと。」
小「さっきからパチュリー様は誰と喋っているんですか!?」
まったく、面倒くさい能力だわ。
パ「ほら、私が指さしてる方向を1点に見て、それ以外考えちゃダメよ。」
私はこいしに向かい指をさし、コアに指示する。
小「うーん…あっ!見えてきました!…けど、彼女は?」
ようやく見えたようだが、実は私達は面識が無いのだ。私は魔理沙が旧地獄の調査の報告の時ちょこっと聞いただけ。
パ「古明地こいし。旧地獄に住むさとり妖怪の妹よ。」
パ「とは言ったものの、第三の目は閉じてしまったらしいけどね。指図目切れない包丁、無味無臭の調味料、色の無いインクって存在かしら。」
こ「散々な言い様だね?まあ大して間違ってもないからいいけどー。」
小「なるほど、さとり妖怪本来の力を捨ててしまったのですね。理由は…考えなくとも予想できますが… 」
まあさとり妖怪だしね。心が読まれるというのは思考が丸裸になってしまうなんてものじゃない。完全に会話そのものが成立しなくなってしまうものだもの。
そんな存在に近付く奴なんて居やしないわ。
こ「そうなの。だから今は欲望に従って自由気ままに移動中〜。このまま温泉にでも向かおうかしら。」
この近くに温泉…1つしかないわね。
小「それって、新しく鬼達が作ったやんですか?私達もそこに向かってるんですよ。」
こ「あら偶然!それじゃあご一緒しようかな。」
パ「チケットは貰ってるの?それがないと入れないけれど…」
こ「あなたが特例なだけで基本誰にも見られないよ。」
パ「それもそうね。それじゃあ行きましょう。」
小「お団子食べます?新しい仲間にお一つプレゼントです!」
こ「やったー!」
そんな感じで仲間が一人増えた。まあ、こういうのは数が多いほど楽しいと言うし良いでしょう。温泉なんて多分私たち以外も大勢来るでしょうし。恐らく宴みたいな形になるかしら。
まあとりあえず今はいいか。宴になった時どうするか考えよう。
そんなこんなで、私達は再び温泉地へと足を向けた。
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