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政府軍本部の浴場。
脱衣所。
そこに、入浴用のセットを持って柳木が入ってきた。
「……」
彼が服を脱いでいると、脱衣所へもうひとり入ってきた。
「おお、来てくれたか」
それは、士屋だ。
「良かった良かった。お前なら来ないかと思ったよ」
「……いいから早くしてください。言っておきますが、僕は早く出ますからね」
そして、二人は浴場へと入る。
大きな浴槽が広がっており、辺りは湯けむりで溢れていた。
「ここに来るのも久しぶりだなぁ。最近は寮のユニットバスに入ってたからな」
そう言って、士屋は柳木を見る。
彼は大きめのタオルで身体を隠していた。まるで、見られるのを嫌うように。
「なあ、そのタオル取れよ。俺はもうお前の身体のこと知ってんだからよ」
士屋の言葉を聞き、タオルを握る柳木の手の力が強くなる。
それを見た士屋はニヤリと笑い、彼のタオルを握ると、勢いよく引っ張り、取ってしまった。
「ひゃっ!」
高い声で悲鳴をあげる柳木。
その身体は、傷だらけだった。殴られた跡、治りきっていない火傷。そして彼の局部は切り取られた跡があった。
「いつ見ても酷えな……見るに耐えねぇわ」
身体を見られた柳木が拳を握りしめる。
「この……やろう!」
そして、彼は士屋に殴りかかった。しかし、その拳はスッと避けられた。
「おいおい、上官にそれはねぇだろ?」
逆に、柳木は首を掴まれる。
「あがッ……!?」
「みんなお前の過去を知ってんだからよ……隠す必要ねぇよ」
そして、士屋はその手を離した。床に倒れ、咳き込む柳木。
「ごほっ……げほっ……!」
そんな彼を横目に、浴槽へと入る士屋。
「お前も入れよ」
そう言って隣を指さす彼だが、柳木は彼を睨みつけ、出ていってしまった。その目には、涙が浮かんでいた。
「……かわいそうな奴だ」
数年前。
10代の柳木が政府軍に保護された。
彼が保護された時、彼は路地裏で眠っていた。ボロボロの服を着ており、隙間から見える肌は酷い状況だった。
彼は最初、何も言わなかった。大人にひどく怯えている様子だった。
しかし、給食を分け与えると、泣きながらそれを平らげた。なんの変哲もない普通の給食だったのだが、彼にとってそれは途轍もないご馳走だったそうだ。
元帥じきじきに彼に話を聞くと、彼はゆっくりと口を開いた。
彼は義父に虐待を受けており、毎日殴られていたという。パチンコで負けたときにはライターを背中に押し付けられたり、終いには彼が中性的な顔をしていたため、局部を切り取って強○されたという。
すべてを話し終えた柳木を、元帥は優しく抱いた。
「もう安心していい。これからは政府軍が君の家族だ」
その言葉を聞いた途端、柳木は号泣した。
そして、義父は逮捕され極刑判決がくだった。
その後、柳木は政府軍で猛特訓し、少尉までのぼり詰めた。
彼は、政府軍のために命をかける。