心優しい狐神視点
「さぁ、ゾムさん。ここが今から一緒に住む場所ですよ。」
「ほんまに曼荼羅神社に住んでええんか…?」
ゾムさんが目を輝かせて言う。
「良いんですよ。もうゾムさんと私は、家族同然ですからね。さぁ、どうぞ。」
「お、おじゃまします…。」
「…あ、せや。エミさんに言いたいことあったんや。」
ゾムさんが口を開く。
「エミさんって、何で一人でいるん?式神は?」
「…まぁ、色々訳がありましてね。」
あまり自分の過去は話したくないけれど、 ゾムさんが知りたがっているならば仕方がない。
「昔は神じゃなかったから、式神は作れないんですよ。元々神だったら創れたんですがね。」
「え?エミさん昔、神じゃなかったん?もしかして人間やった?」
「…さぁ、どうでしょうね。でも、式神を創れない代わりに、能力は使えますよ。」
急に神になってしまったけど、大丈夫かなぁ…。”あの人”に怒られるかもしれへん…。
「この話は止めにしましょうか。ゾムさん、 着いて来てください。」
「お、おう…。」
「今から、これからの生活についての説明と、曼荼羅神社内の案内をしますので。」
まぁ、まずは曼荼羅神社内の案内からしようか。
「まず、ここが玄関です。」
「は…?」
…まぁそりゃあそうなりますよね〜。
「曼荼羅神社だけが家ではないのですよ、ゾムさん。鳥居も含めて家です。」
「…まぁええわ。次は?」
「次は⸺」
「⸺という事で、分かりましたか?ゾムさん。」
私が後ろを見ると、ゾムさんはげっそりした顔で言った。
「流石に広すぎやろ…。神社って全部こうなんか?」
「ん〜…。全部が全部という訳ではないですが、まぁ大体この広さでしょうね。私の友人の神もこの位⸺いや、曼荼羅神社よりも広かった記憶が…。」
「あ〜。もうええ、もうええわ。エミさん、ストップ。」
ゾムさんが耳を塞いで言った。
「…ん?」
ゾムさんをよく見ると、猫の耳が生えていて、尻尾が二つに分かれている。
「ゾムさん…。もしかして、猫又⸺なんですか?」
私がゾムさんに確認すると、ゾムさんがきょとんとした表情で「…は?」と言った後、ゾムさんが顔を逸らして吹き出した。
「⸺ッハハハハ!!!めっちゃ 今更やんけw何で今気付いたんやw」
「仕方ないじゃないですか!!助けるのに必死だったんですし!!」
「神でも赤面するんやなw」
「ゾムさんが笑うからでしょうが!!」
そうやってゾムさんと暫く笑いあった。
〈あとがき〉
ご視聴ありがとうございます!月冴です。…え?「毎回これをやるのか」って?そりゃあそうでしょう!!初めて見る人に、名前を覚えてもらいたいんですもん。てか、エミゾム物語の更新遅くてすみません。ストーリーの内容思い浮かばないうえに、テスト期間だったのもありまして…。まぁ今日でテスト終わったんですけどね。それでは、次回の物語で会いましょう。
コメント
2件
めちゃくちゃ好きです!