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7月2日。俺は電車で千葉に向かってる。
少し早い時間だが、特に何もすることはないし、実家の方が落ち着けるかもしれない。
頬が痛い。
一応シップは貼っているが、少し腫れている。
親には転んだとでも言っておくか。
その歳で何やってるんだとか言われそうだけど、正直に殴られたというよりはマシだろう。
実家に帰ると言っても、そんなに遠くはない。
実家がある大久保まで1時間あれば行ける。
高校までずっと千葉で育ち、大学に通うために上京した。
あまりいい思い出が無かったから、早く出たかったのかもしれない。
その結果がこれだ。
あんな会社で働きたくない。
浮気された男としてこの先も笑われていくのか?
俺がずっと犯人扱いされるのか?
早く犯人を捕まえてほしい。
そうすれば俺への疑いが晴れる。
捜査は進んでいるのだろうか?
でも未だに犯人が捕まってないということは、警察もお手上げ状態なのだろうか?
そんなことを考えているうちに駅に着いた。
あまり変化のない風景だ。
家には徒歩15分ぐらいで着く。
小さな一軒家だが、自分の部屋があり、1人でゆっくり過ごすことができる。
地元に帰るのは年末年始ぶりだった。
家に着いた。
玄関で「ただいま」と声をかけると、すぐに母さんが出てきた。
「友和、お帰りなさい。また痩せたんじゃないの? ご飯食べる?」
「いらない。さっき食べてきた」
本当はなにも食べてない。
何かを食べるような気分になれないのだ。
「本当に大丈夫なの? それにそのシップはどうしたの?」
「うん……。ちょっと転んじゃってね」
ごめん、母さん。
俺は嘘をついた。
罪悪感で胸の辺りが痛んだ。
「相変わらずドジねー。誰に似たのかしら。お父さんが待ってるから行ってあげなさい」
しっかり者の父と優しい母。
本当にどちらに似たのかわからない。
リビングに行くと父がいた。
「ただいま」
「おかえり」
「今日の夕方葬式に行ってくる」
「そうか。大沢さんの葬式か?」
「ああ……そうだよ」
「昼に紗和子も帰ってくるからな。大沢さんがよく面倒を見てくれてたみたいでな。葬式に出るそうだ」
沙和子は5歳離れた妹だ。
昔はお兄ちゃん呼びで、後ろからついてくる可愛げのある妹だったが………今は友和呼びで言葉遣いも悪い。
やはり女は怖い。
会う度に凶暴化しているような気がする。
「わかった。少しの間部屋に戻ってるよ」
俺は自分の部屋に向かう。
部屋は俺が生活している時と変わりなく、ほぼそのまんまの状態。
布団が変われば寝れると思ったが、そんなことなかった。
会社での一件が頭の中で蘇ってくる。
木原……。
あんなやつ死ねばいいのに。
そう思いながら俺は目を瞑った。
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#ミステリー
鬼霧宗作
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みおん
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コメント
3件
読んだよ〜!第9話、実家に帰るエピソードだったね🏠💭 「転んだ」って嘘つくシーン、胸がギュッてなった……。親に心配かけたくない気持ちと、本当は助けてほしい気持ちが混ざってて切なすぎる😢💔 それにしても、妹ちゃんが「凶暴化してる」って表現、ちょっと笑っちゃったけど、家族の緩い空気が久しぶりの帰郷って感じでよかったよ! 恋愛の話から始まったけど、今は完全に主人公の再生と葛藤の物語になってきてるね。続きが楽しみすぎる…!