テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「幸人。ゲームしよ。」
優也の声が聞こえる。
いつも通り、RPG マラリアパーティー(?) 人生ゲーム。‥‥ではない。やったことがないため、うろ覚えのものが一つあるが。これは、カード投げと実践演習。
「久しぶりに見学してもいい?」
日向の声が軽く遠くから聞こえる。
「分かった。」
おもちゃ箱からトランプカードを取り出し、闘技場まで降りる。
「じゃぁ、日向は下がってて」
「了」
優也は手に4枚のカードを握っている。そもそも、優也以外あの持ち方は少々危険である。最近、優也が良く使う方法の一つに、一度物質硬化を解き、曲げてから、もう一度硬化する。この結果どうなるかは見た方が早い。
横一直線に、同時ではなく別々にカードを撃つ。優也はカードを曲げることで、カードの動きを決めているそうだ。
「じゃぁ、僕がやるね。」
一応安全のために手袋をつけてやる。5枚持って、上から下腕を下ろしながら、それぞれを撃つ。
僕の場合は、的に当てるのではなく、敵を殺す。それを目的にしているため、大量殺戮のための方法である。カードに開店などをつけて横に素早く大きく動いて、相手を切る。そして、上から下それに動かすことで、時間差が生じジャンプまたはしゃがむなどの方法でよけられないためである。マイナスな点があるとすれば、90度の角度の範囲しかできないことがあげられる。そして、仲間がいるところだと使えない。
「二人とも強いね。でも、優也の方がマイナスな面が大きいかな」
なんとなく、同じくらいかと思っていたが、日向がそういうならそうなのだろう。
「じゃぁ、実践演習と行きますか。」
立てかけてある木刀を持ち、構えを取る。
「はじめっ」
第一の動きから違う。優也は切りかかろうとしたが、幸人は身を低くして、優也の足を折った。いや、折れてはいない。肉体硬化を使ったため折れてない。優也は、地面に木刀を突き刺した。そして、その柄の先の上に手を置き、まるで数学の円の中心部の点Oのようにして、コンパスのように回転して、最後に木刀を抜いて構えた。
圧倒的な身体能力の前では技術はむなしく敗れる者だと今まで思っていたが、違う。圧倒的な身体能力の差があろうとも、技術があれば賄える。そうおもった僕が馬鹿でした。
優也の剣は受けてはならない。優也の剣は受け流さなくてはならない。能力には能力で。今日はそれを学べた。
最初の一発は入れることができたが、それ以降は無理だった。
僕は優也に突きで吹き飛ばされた。優也が手加減していなければ、折れていたどころでは済まないだろう。
衝撃で軽く血を吐いた。軽く痛いけど、特に問題ない。
「まだ動くのかよ。」
優也は僕の腹を殴った。腹筋を鍛えていなければ死んでいただろう。口から胃酸を吐いた。
「負けた。」
手を挙げた。ふりをして、優也に近づいて殴る。5発。優也が軽く吹き飛ぶ。しかし、優也は壁に打ち付けられる寸前で足で壁を蹴った。木刀が眼前まで迫る。そこで木刀は止まった。
「負けを認めろ。」
「負けました。」
立ち上がって、服に着いた埃を払う。
「幸人は、そのずる賢さをもっと磨けばいいかもね」
「‥‥」
一階に戻り、軽くシャワーを浴びて、バイクスーツに着替え優也の部屋に向かう。
「よぅ、あんちゃんバイク乗ろうぜ」
なんとなく優也にそう誘ってみた。
「キャラ変わったな。おい」
「時にはスパイスが必要だよ。」
「‥‥そうか」
「まぁ、夏休みが最後に差し掛かって、遊びに行くことは少なく。日々家に籠り、修行していただけの夏休みって楽しい?」
「夏期講習に行けば出会いがあったかもしれねーぜ。」
「あいにく、告白されることについては需要が供給を上回っていますので‥‥。」
「同感だ。で?バイク乗るんだっけ?すぐに用意する。」
「4.5秒で準備しな」
「分かった。」
3.2秒で着替えた。優也が上に着ていた服を脱ぐと、中からバイクスーツが出てきた。
「なんでバイクスーツをもともと着ていた?」
「なんとなく」
さすが相棒。
家を出てバイクにまたがる。
「どこ目指しますか?」
優也が質問してきた。確かに考えていなかった。
「ここは夢は大きく。海と行こうか。」
「じゃぁ。東か。」
「めっちゃ琵琶湖方面じゃん。北or西の2択だよ。最悪、南だよ。」
「じゃぁ、北に行きますか。」
「りょーかい」
僕らは閑静な住宅街でバイクを走らせた。もちろん、法定速度でだ。僕らは緊急時を除いては、時速200㎞を超える速度を出すことは無い。
「何市に行きますか?」
「じゃぁ、小浜で」
「じゃぁ、人魚の浜かな?」
「あぁ、そうだな」
職業柄、いろいろな街に行くことが多い。だから即座に観光名所などもわかるようになった。
国道367号線で、葛川坂下町に入った頃、僕らは襲撃された。骸骨の面を被り、服のフードを目深まで被った二人組による弓矢と銃弾によって。一人は、真っ白な服に黒い骸骨の面。もう一人は真っ黒な服に白い骸骨の面。
「分が悪いですね。」
「同感」
今、僕の異能は使えない。使えば勝てるがそれ以上にひどい結果になる。
「じゃぁ、ぶっ飛ばしてきます。」
「good luck」
「Let’s enjoy」
優也は、自分が乗っていた小型二輪バイクに物質硬化をかけ、ブンブンとまわしながら走り、それからバイクを投げ、それからすぐにバイクにつかまって空を飛んだ。
ドンドン彼に向かってくる弓と銃弾を、すべてバイクではじく。子らは陽動作戦なので、優也にはできるだけ大きな動きで動いてもらっている。
先ほどから軽く気になっているが、銃が打たれるときにかすかにポンッという音が鳴っている。
「エフィー」
黒い服の骸骨の面の一人の銃を先ほどからぶっ放している人がそういうと、鉄の壁がいきなり出来上がった。優也は、振り回したバイクでその壁にひびを入れた。
僕は軽く物陰に隠れ、萩野さんに連絡を取る。
「襲撃に会いました。2名です。おそらく変異者。」
『了。その場所に向かいます。』
3秒後に萩野さんが袖から現れた。
「与一‥‥?いや、鳥羽か。」
鳥羽や与一というのは変異者の名前だろうか。
「〘清掃〙」
銃弾や弓や鉄の壁がすべて消えた。
「ヨォ、ヒサシブリダナ。フジタ」
白い服の骸骨がそういった。
「久しぶりね。お絵描きド陰キャ。」
怒気を含んだような言葉で萩野さんがそう返す。
「キレテル。キレテル。ナスノノコトデキレテマスカァ」
「あららー。ウサギとカエルしか書いてないから人の心分からないかー。」
「ウサギトカエルイガイニモカイテマスゥ。」
「あーごめんね。一部の例外持ち出すくらい追い詰めちゃって。」
「シネヨ」
「死ねっていうな。殺すぞ。」
萩野さんと白い服の骸骨の男が言い争いをしていると、いきなり一人のペストマスクをつけた和服の男が、魔術師とともにいきなり現れた。それとともに、僕と優也は構えをとる。
「そこまでにしちょけ。おんしには勝てっこん相手や。」
「坂本っ」
驚きを含んだような。それでいて安心したような声でそういった。
「久しぶりやねや。元気にしちょった?」
そう言って、男はペストマスクを外し、ボリボリと頭を掻いた。
「えぇ。」
「じゃぁ。また今度。」
そう言って、坂本を呼ばれた男は、骸骨の二人を連れて帰ろうと魔術師に触れた瞬間に萩野さんが動いた。
僕の手に持っていた短刀を奪い、坂本の方に向かって投げた後、即座に右手の中指を消えた方に向けた。
魔術師の移動時に使われる霧によって、結果は知らない。
僕は萩野さんの元へ駆け寄って聞いた。
「あいつらってそんなに強いんですか?」
「強い。というか、私たちと相性が悪い。」
「そうですか。今回はありがとうございます。」
「『も』ね。」
「‥‥ですねー。」
「じゃぁ。」
萩野さんは連れてきた魔術師を使い、どこかへ行ってしまった。
そして、暗闇の中、一羽の鴉がカァカァと鳴いていた。
「あらためて。再出発としますか。」
この時僕らは知らなかった。最悪の人が、いや変異者が、敵に回っているという事に。
変異者 加藤 駿【偽名:畠中 幸人】/現在
僕らが小浜市に着いた時には、もう夜中の10時。夏休みにバイクに乗って、襲撃受けてただ帰るというのもなんだか嫌なので、近くの宿を探すとすぐに見つかった。時間的には嫌な時間だろうがいやな顔一つせず、快く泊めてくれた宿のおかみさんには、とても感謝している。
なんとなく考えたけど、多分萩野さんの言った『〘清掃〙』は僕が心の中で唱えている。『——〘爆弾魔〙』から始まり『決定。』で終わるあれの代わりだろうが、能力がばれるのが痛い。能力を使う感じが想像しやすいのだろうが、0.数秒ほど遅くなるのが難点だろうか。
それから、僕らは露天風呂に入り、寝た
コメント
1件
ゆのさん、第25話読みました〜! 戦闘シーンがめっちゃ熱かったです!特に優也のバイク投げて空飛ぶとことか、漫画みたいで痺れました🔥 幸人のずる賢さ➕技術で戦うスタイルも好きだな〜。でも最後の「最悪の人が敵に回ってる」って伏線、めっちゃ気になります...! 萩野さんと白い骸骨の言い合いもシュールで笑っちゃった(笑)次が楽しみです!
ウィド&ディレ
92
榎本くもり
10,056
#面白くないかも
如月玲
37
谷崎爽奈
81