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変異者 加藤 駿【偽名:畠中 幸人】/3年前
「はい。じゃぁお疲れさまでした畠中先輩。」
「あぁ、ありがとう。じゃぁ君たちは帰っていいよ。」
「はいっ。じゃぁまた明日、いや、明後日か。さようなら」
「じゃぁね。」
僕は残った仕事を終わらせて、北上先生のいる職員室まで資料を持って行った。
あと2カ月後には卒業か。次は東京だっけな。
そんなことを思いながら、すでに開いている職員室のドアから入り、北上先生の机の上に置いた。
その時だった。
「すいません。4年B組の畠中 椿さん 6年C組の幸人君 A組の日向さん B組の優也君の担任の先生方。」
事務員さんが職員室に駆け込んできた。
「どうしました?」
先生たちが何事かと集まってくる。
「あぁ、幸人君‥‥。椿ちゃんが車に▓▓▓▓▓▓」
「えっ?」
耳が聞くのを拒んでいる。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。動きが固まり、ピクリとも動かない。息をするのも苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。心臓が半端ないほどの速度で鐘を打つ。
「‥‥椿ちゃんが車に轢かれたって」
北上先生の言葉が、耳元で聞こえ、現実に戻される。
「嘘‥‥ですよね‥‥」
自分でも声が震えているのが良くわかる。
「‥‥畠中君。病院に行こう。」
北上先生が、僕を連れて駐車場まで走った。それから北上先生の車に乗りこみ、家の近くの大学病院に向けて車は走り出した。
「‥‥畠中君。君は変異者だろう?大丈夫。答えなくてもいい。私も変異者なんだ。私の能力の一つに死んでから5分以内の人を、生き返らせることができる。っていう能力があるんだ。脳と心臓の両方が止まってから5分以内出れば私は助けられる。」
「ほ、本当ですか?」
「あぁ。とりあえず、結構急いで行こう。」
北上先生は、さらに強くアクセルを踏んだ。
僕と北上先生は大学病院についてすぐ、エンジンも切らず。病院についてすぐに霊安室に駆け込んだ。
「ちょっと何をしているんですか。」
そこにいた医者と看護師に止められたところを、僕が彼らを抑えた。そのすきに北上先生が椿の体に触れたが、何も起きなかった。椿が生き返ることは無かった。
その場で僕は崩れ落ちた。また息が苦しくなる。先ほどまで希望を抱いていたのが、更につらくなってくる。椿の体を見ると、それは人ではないような姿になっていた。顔はぐちゃりと潰れ、足は変な方向に曲がり、腹からは赤黒い血と内臓が飛び出し、骨は散々に折れていた。
大粒の涙が降り、霊安室の床を濡らす。
目が真っ赤に充血する。
しゃっくりが止まらない。
喉から声が出せない。
——〘爆弾魔〙。感情〘苦しみ〙の消去。決定。
まともに息をすることができるようになった。悲しさはいまだ残るが先ほどまでより数倍ましになった。
復讐してやる。復讐してやる。復讐してやる。復讐してやる。ふくしゅうしてやる。ふくしゅうしてやる。ふくしゅうしてやる。ふくしゅうしてやる。ふくしゅうしてやる。ふくしゅうしてやる。ふくしゅうしてやる。ふくしゅうしてやる。ふくしゅうしてやる。ふくしゅうしてやる。フクシュウシテヤル。フクシュウシテヤル。フクシュウシテヤル。フクシュウシテヤル。フクシュウシテヤル。フクシュウシテヤル。フクシュウシテヤル。フクシュウシテヤル。フクシュウシテヤル。フクシュウシテヤル。フクシュウシテヤル。
椿を殺した奴の会社ってどこだっけ。つぶしてやる。消してやる。なくしてやる。殺してやる。つぶしてやる。消してやる。なくしてやる。殺してやる。つぶしてやる。けしてやる。なくしてやる。ころしてやる。つぶしてやる。けしてやる。なくしてやる。ころしてやる。ツブシテヤル。ケシテヤル。ナクシテヤル。コロシテヤル。ツブシテヤル。ケシテヤル。ナクシテヤル。コロシテヤル。ツブシテヤルケシテヤルナクシテヤルコロシテヤルツブシテヤルケシテヤルナクシテヤルコロシテヤルツブシテヤルケシテヤルナクシテヤルコロシテヤル
それからは覚えていない。僕は気付いたら拘束されて動けなくなっていた。萩野さんが隣で僕を見ていた。
「君は‥‥、君たちは組織メンバー64名。一般人129名。を殺害した。」
そうだったんだ。ただの殺人罪ごときでは済まない。大罪人だ。
「でも、証拠は全部消した。でも、みんなの記憶の中には残っているから。まぁ、証拠がないかあらな他の事をダメも何も言えないだろうけど。」
そう言って萩野さんは立ち上がった。
「それだけですか?」
「どういうこと?」
「193人も殺したんですよ。そんなことごときで、罪を背負えているわけがない。」
「193人ごときで何を言っているの?私は、今までに2000人以上殺したよ。」
「罪を犯した人が一番望むものを、僕に与えてくれないんですか?」
「自分で見つけて罰を背負うといい。」
それから、体内時計の目覚ましが鳴り、目が覚めた。
コメント
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いやあ、もう冒頭から胸が締め付けられました……「聞きたくない」の繰り返しが、受け入れられない幸人さんの心情を直球で伝えてきて、読んでるこっちまで息苦しくなりました。北上先生の能力に一瞬希望がかかるのに、それすも叶わない絶望……そこからの「感情消去」と復讐心への切り替えが、本当に辛かったです。ラストの「罪を犯した人が一番望むものを与えてくれないのか」という問いかけが、重く残りました。ゆのさんの描く苦しみの深さ、毎回すごいです……。