3人にもみくちゃにされているとき、ふとドアに目をやると照が部屋の外に行くのが見えた。今だ。照と2人きりになれるタイミングは今しかない。そう思い、何とか抜け出して、適当な理由をついて部屋を出る。
辰「…照……っ…。」
どこを探しても照は見当たらなかった。外に行ってしまったのだろうか。屋上に行くと、格子に手をかけて空を眺める大好きな背中があった。俺に気づくと、ゆっくりと振り返った。
照「ふっか?」
辰「…はぁっ…はぁ…照…っ!」
照「どうしたの?息きれてんじゃん笑」
辰「ひか―」
照「ふっか、あの日のこと覚えてる?」
辰「………。」
照「…あ、忘れててもふっかは悪くないから!笑」
辰「照…。」
照「1年って…長かったよな……笑」
照「ごめんな。忘れて!笑」
そう言い放った照は、俺の横を通り過ぎてドアの方にスタスタと歩いていった。照がドアに手をかけてバタンという音が響く。俺の足はその場から動かないまま。止めなきゃ、止めなきゃいけないのに。
それなのに、俺の足は動かない。
落ち着いてからしばらくして、部屋に戻るやいなや血相を変えた阿部ちゃんに両肩を掴まれた。
亮「ふっか!照は?!」
辰「…?戻ってきたんじゃないの?」
亮「戻ってきたけど…っ。」
蓮「阿部ちゃん落ち着いて。」
翔「部屋出て帰ってきたと思ったら号泣してて、またどっか行ったんだよ。」
辰「え、照が…?」
涼「ふっか。」
辰「…?」
涼「行って。」
辰「…!……うんっ…!」
なんで、なんでお前が泣くんだよ。勝手に解釈して勝手にどっか行って、泣きたいのは俺のほうだ。そんな感情はどこにも無くて、ただ照に会いたい一心で走った。
to be continued…
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