テラーノベル
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朝が来ればりょうちゃんは早く起きなきゃと言って若井が朝ごはんちゃんと食べてと何かを作ってくれる。
仕事して3人でご飯を食べてゲームして若井がまた明日と帰ってく。そして夜はりょうちゃんと眠った。
けど今はそうじゃない。
ひとりでいると1日が長くて、けどその分確かにパソコンやギターに向かう時間は増えた気がする。
なのに何でだろう。
作業してる、って感じで創ってる、って感じじゃない。
はぁ、とため息をついて空っぽになったペットボトルをぎゅっと潰してソファに座り込んで暫くぼうっとしていた。
ピンポーン…
インターホンが鳴った?
りょうちゃん?若井?まさかそんなわけはないか。
「え···綾華と高野···?」
意外な訪問にびっくりする。
どうして2人がこのタイミングで?
「ごめんね、急に来て···活動再開するって聞いたから、忙しくなる前に会いたいって思って」
「綾華にちゃんと連絡しろって言ったけど大丈夫っていうから」
「なに、高野だってそうかぁって同意したでしょ!」
変わらない2人。
その2人の掛け合いに懐かしさを感じる。驚きながらも嬉しくて飲み物を入れて改めて3人で向かい合った。
「久しぶり、元気そうで良かった」
「2人も···今日はなんで?」
「若井から活動再開するって聞いて改めて元貴に謝っておきたかった、本当に···3人に辛い思いをさせたと思って」
「私も···たくさん傷つけたよね、考えていたのに伝えるまでに時間が掛かってあの時は突然になってごめん。違う道を選ぶのは勇気がいって、結果として嘘ついて先のこととか話してた···ごめんね」
そうだった。
2人の嘘に気づきながらも、まさか辞めるなんて事を考えてると思わなくて裏切られた気になって嘘つきと思ってしまって···でも2人だってそれぞれたくさん悩んで傷ついたんだ。
俺と同じように。
少しずつ胸につっかえていたものが溶けていく気がした。
「あの時は2人の気持ちなんて考えることが出来なくて不安とショックしかなくて···けど皆そうだったんだよね、なのに俺ばっかり···ごめん、綾華や高野のこと応援してるよ」
「当然だよ、ごめんな。俺も元貴のこと、ミセスのこと応援してる」
「私も!ずっとずっと、何があっても」
「ありがとう···」
俺は“ひとり”じゃなかった。
皆側に居たのに、綾華も高野も、若井もりょうちゃんも。
見ようとしなかっただけ。
やっとそれに気づけた気がする。
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