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「こうして話出来て良かった。若井がさ、凄く心配してたから元貴のこと。それで連絡貰ったのもあったんだ」
「若井が?」
「りょうちゃんもよ、元貴の好きな食べ物で作れそうなレシピとかないかなとか、おすすめの安眠グッズないか、とか···心配、してたと思う」
「りょうちゃんも?」
「本当にあの2人は元貴に対して過保護だよな。みんな、元貴が大切なんだ」
高野と綾華が帰ったあと、その日も次の日も俺は何度も高野が言った言葉を思い返してりょうちゃんと若井のことばっかり考えていた。
若井。
りょうちゃん。
こんなに俺のことを思ってくれる2人を俺はあんなに苦しませてしまった。
今更?
けど2人なら許してくれる?
きっと、許すとかの前に受け入れてくれてるんだろうな。
そう思えて心が少し軽くなる。
ようやく自分が何をしなきゃいけないかがわかった気がした。
···りょうちゃんとはさよならしなきゃいけない。
けど一生大切な人であることは変わらないし、ずっと友達でありメンバーであることも変わらない。
それは若井ともきっとそうだ。
「独りじゃない。前に進まなきゃ」
ピンポーン···
「誰だろ?」
高野と綾華は昨日来たし、いよいよ心当たりもなく出る。
「···ごめん、来ちゃって。あ、邪魔するつもりもないしすぐ帰るから!その···ほら、元貴ってすぐご飯食べなくなるから、差し入れ」
しばらく来ないでって言った俺なんかに若井は、はいっ、とスーパーの袋を差し出した。
「入ってよ」
「え?いいの?邪魔じゃない?」
そういいながらも嬉しそうに部屋に入って大人しく椅子に座る。
もうひとつ手に下げた袋がガサガサと音を立てた。
「それ、自分のじゃないの?一緒に食べよ」
「あ···うん、元貴がいいなら···!」
「いいに決まってるだろ。なぁ若井」
「んー?なに、あ、なんか飲む? 」
嬉しそうにお弁当を用意している若井の向かいに座る。
「俺、りょうちゃんと別れるから」
若井の動きがピタリと止まって一瞬部屋がシン、となる。
「···は?えっ?なんで?喧嘩でもした?」
「もともと、りょうちゃんは俺に合わせてくれてただけだったんだ。俺の為に付き合うって言ってくれて自分の気持ちを隠して···りょうちゃんは···本当は若井のことが好きなのに」
「意味がわからない。元貴のためって?それにりょうちゃんが···俺のことって、なんで」
びっくりして目がまんまるになっている若井を見て、本当に気づいてなかったのかと逆に少し驚いた。
けどこの2人を遠回りさせたのはきっと俺。
「俺はりょうちゃんが好きだった。優しさに甘えて縋って···そんな俺を突き放すなんて出来ないってわかってて···りょうちゃんにも若井にも嘘
つかせて苦しめて···なにやってたんだろう、最低だね」
ごめん、ごめん。
言い訳になるけど本当にりょうちゃんのことが好きだったんだ。
自分のものにしたかった。
愛して愛されたかった。
「···俺、りょうちゃんが元貴と付き合ったのは優しさだけじゃないと思う。りょうちゃん元貴のこと大切で好きだったからだよ。それは愛とかじゃなかったのかもしれないけど、俺なんとなくわかるから」
「···なんだよ、本当に···皆揃ってさぁ···」
俺だって好きだよ。
皆のこと。
「もしそうなら嬉しい。でもりょうちゃんをこれ以上は縛れない。それに若井も···ホントのこと言えよ、お前の嘘なんてすぐ分かるんだから。りょうちゃんのこと、好きなんだろ?」
なんだか清々しいような気持ちでにやっと笑って若井を見た。
その顔は赤くなっていて、やっぱりお前に嘘なんか似合わないって思ったんだ。
コメント
5件
❤️くん、みんなのおかげで大事に想われてることに気付けて良かったです🥹✨ いよいよ…💙💛
お"ん...。゚(゚´Д`゚)゜。 良かったよぉ... 続きも待ってます...