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ある日突然、大切だった日常生活が、崩れさった。
あの日はやけに日差しが眩しくて、印象深かった。二人で待ち合わせていたあの公園。暑い日差しを浴び、灼熱になったアスファルト。そんな状態の外に出るのすら嫌気が指してきそうな気象の中で君と待ち合わせをした。
「あっつ…今の全世界こんな暑いの?」
その日は日傘を差していても暑く、今にも溶けてしまいそうな、体をゆっくり待ち合わせ場所の公園に引きずる。
現在の時刻は12時。昼ご飯を食べ忘れてお腹が空いたなどと、考えていたとき突然背後に気配を感じ振り返るとそこには幼馴染で、待ち合わせ相手の霊華がいた。彼女はこんな灼熱地獄の中を日傘も差さずに立っていた為俺は自分の持っていた日傘を彼女に差し出した。
「え?」
ちょっと困惑気味に彼女は俺の隣に座った。
「なんで日傘を私に差し出すのさ?」
そう言いながら猫を撫でる彼女に目をやっていると彼女の言っていた質問も忘れていた。あぁ…暑いな…
暑いのになぜかぼーっとして、彼女との思い出を振り返っていた。ある日突然現れた彼女。友達も居らず、いじめを受けていた俺に手を差し伸べてくれた彼女は、今でも鮮明に残っている。
「だって暑いでしょ?」
そう言うとコクリと首を立てにふった。
彼女に日傘を差し、俺はゆったりと彼女との歩幅を合わせながら交差点の信号を待っていた。本当に暑い…彼女は汗の一つも流さずに信号を待っており、俺は思わず凝視してしまっていた。
ずっと彼女を見続けていて、気づかなかったけどもうとっくに信号は変わっており、信号がピカピカと点滅をしているのに気が付き、俺は走って彼女のもとへ向かったはずだった。
その刹那俺の体は、宙を舞っていた。ふわりと羽が生えたかのような感覚が一瞬表れただが、直ぐに灼熱のアスファルトに打ち付けられた。皮膚を焼くような暑さだと思っていたが、以外に冷たかった。その冷たさが実際のアスファルトの暑さなのか、俺の感覚が麻痺してしまったのかは分からなかった。
「ねぇ…だ…ぶ?」
何か聞こえる…でも声が聞こえない…それに誰がいるのか知りたいのに…視界が眩む。
私は目の前で何が起こったのか理解ができなかった。突然目の前で幼馴染が轢かれた。信号は、点滅はしていたものの、相手側の信号は完全赤。なぜ?