テラーノベル
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沢山のお礼の言葉と、ブラウの話を聞いた私達は、頭を下げ続ける彼らの店を後にした。
「このまま、全部の家、回っちゃう?」
「そうだねぇ、そ――」
「最後の一匹は逃げたのを追ってみましょう。ブラウさんが言っていた大きな穴に戻って行くかもしれません。リサ様出来ますか?」
ルードの提案に少し、考えながら、アリスは頷いた。
「ウォータ? 出来る?」
「アタシだって! 出来るわよ!」
ウォータに聞いたのに、なんだか、拗ねてるサラが主張している。ウォータはやれやれと憐れみの目でサラを見ていた。
そう言えば、彼女はまだこの国で呼んであげてなかったなぁ。
「大丈夫みたい」
あたりはもう暗闇だけど、また先程の様にミニライト達を呼んで懐中電灯になって貰った。
ーーー
最後の一人の家に着く。
やはり、あのもぐら魔獣が原因だったようで、まわってきた人、全員の耳元にソレは居た。
「ウォータ」
同じ様に、もぐら魔獣を追い出して、今度はサラの名を呼んだ。
あの魔獣を追え!
「サラマンデル」
そう言ったあと、私達は急いで外へと飛び出す。
山中に向かって、マッチ位の火が一定間隔で並んでいる。これを追いかければいいのかな?
「あの、お礼は!」
後ろから声を掛けられるが、魔獣を追いかけないといけないので、
「他の方から頂いています! すみません、急ぎますので!」
と言って、私達は走り出す。貰ったと言っても言葉だけだけど。
後ろには、見えなくなるまで頭を下げるエルフさん達がいた。
ーーー
私達が通りすぎると、小さな火はフッと消えていく。
低い山の中腹位に来ただろうか? 目の前にぽっかりと大きな口を開けた洞窟があった。火の目印は洞窟の中へと続いている。
「これ、中に入るの?」
「うーん」
洞窟の入り口から中を覗くと小さな火の列がかなり長く続いている。
「危ないし、明るくなってからにしようか?」
「そうですね、山の中に入らないようにエルフの人達に――」
ガサガサ
バキバキバキ
大きな音が聞こえてきた。何?
アリスが驚いた顔をしながら、耳をたてて様子をさぐる。
ビョンビョンビョン
とても、聞き覚えのある音が迫ってくる。
「あー! そこの人、逃げるっすよーーー!」
聞き覚えのある声も――。逃げるって?!
人と赤い生物が、突撃してくる。
「洞窟の中に入るっすーーーー!」
言われるまま、全員で洞窟の中に逃げ込むと、大きな赤い生物は入り口でベチョっという音をたてて、詰まった。
あの大きさは通れないよね。
「スペードさん!」
逃げてきたのはどう見てもスペードで、入り口に詰まったのはレッドフォレストフロッグ。
「やぁ、リサちゃん。さっきぶりっすねー」
さっき、というのがどちらかという事は今は置いておいて。
「何でまた追いかけられてるんですか!」
「いやぁー、あの子、どうやら僕の熱烈なファンみたいで、こまったもんす」
いやいや、カエルさんの追っかけって……あり得るの?
あそこからここまで追っかけてきたの?
アリスがまた警戒モードになっている。ルードも、怪しいと思っているのかスペードを見ている。
「入り口が塞がっちゃったし、進もうか」
そう言って、アリスは私の手をとって歩きだした。
「そうですね、リサ様、気をつけて下さい。私が後ろを担当します」
ルードは、私達の後について歩きだした。
「じゃあ、僕はその後ろに」
ちゃっかりと、何故かくっついてきたスペード。
「何で一緒に来るの?」
「そりゃ、フロッグちゃんと二人っきりになりたくないっすから」
まあ確かに、カエルと一緒にいたら舌が伸びてきて食べられちゃうかもだけど。
あ、でも帰りは、大丈夫かな……?
コメント
1件
お疲れさまです、花月夜れんさん。102話読みました。 サラが拗ねてる場面、可愛かったです(笑)。ウォータとサラの凸凹コンビ、いいですね。 スペードさんがカエルに追われて合流してくる流れ、まさかの「熱烈なファン」発言で思わず笑いました。でも入り口塞がっちゃって洞窟の中へ…これ、帰り大丈夫なんですかね?続きが気になります!
月城 蓮桜音
34
羽海汐遠
14,514
#オリジナル
ゆいらーめん
512