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猫とろ
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ねらち
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美少女探偵は、白濁した人工血液にぐっしょりと濡れながら、泣きじゃくっていた。
床に広がる白い液体が、彼女の素肌に粘りつくように張り付き、太腿から膝、さらには手のひらにまで伝っていく。涙で視界が滲む中、彼女は四つん這いになって、ゆっくりと床を這い始めた。
「うぅ……なんで……こんなことに……」
声は震え、途切れ途切れになる。爆発の衝撃と、突然の光景が頭の中で何度もリプレイされる。
美しい受付嬢の上半身が内側から弾け、首が飛び、白い液体が飛び散った瞬間。
それが現実だとは、まだ信じきれなかった。
彼女の目の前には、上半身を失ったAIアンドロイド受付嬢の下半身だけが残っていた。
制服のスカートは破れ、むき出しになった腰から下——張りのある白い太もも、曲線を描くお尻、繊細に作られた脚のライン。
それらはまるで、何かに切り取られたような奇怪なオブジェだった。
なのに、どこか艶かしく、妖しい魅力を放っている。壊れたはずの人造の肢体が、かえって生々しく、美しく見えてしまう。
美少女探偵は、震える手を伸ばした。白い液体にまみれた指先が、残されたアンドロイドの腰に触れる。冷たく、滑らかな人工の肌。触れた瞬間、何かが変わった。
不思議なことが起きた。
空間が歪むような感覚。因果が逆転するような、静かで圧倒的な力。
弾け飛んでいた部品が、まるで時間が巻き戻されるように、空中から吸い寄せられていく。
飛び散っていた人工筋肉の断片、焼け焦げた皮膚の破片、複雑に絡まった内部の構造体——それらが次々と元の位置へと戻り、組み合わさっていく。
白濁した人工血液も、床から、壁から、美少女探偵の肌から、逆流するように回収されていく。
音もなく、しかし確実に。美しい首が胴体に繋がり、豊かな胸が再生され、整った顔立ちが蘇る。
長い髪が肩に落ち、完璧な美少女の姿が、再びそこに現れた。全裸のまま、キョトンとした表情で、受付嬢は自分の手を見つめている。
「……え?」
美少女探偵は、目を見開いた。涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、彼女は反射的に飛びついた。
「良かったでごぜぇやす……!」
全裸の体同士が密着する。美少女探偵の肌に残っていた白濁の人工血液が、再生したばかりのアンドロイドの素肌に移り、二人の体はぐっしょりと濡れて、滑るように密着した。
胸と胸が押し合い、腹と腹が触れ合い、熱を帯びた肌同士が重なる。
美少女探偵は自分が何をしたのかなど、全く理解していなかった。
ただ、壊れてしまったと思った相手が戻ってきたことだけが、嬉しくてたまらなかった。
アンドロイド受付嬢は、まだ状況が飲み込めていない様子で、そっと美少女探偵の背中に手を回した。
人工の体温が、ゆっくりと伝わる。
「お嬢様……? 私、どうして……」
「わからない……でも、戻ってくれて……本当に良かった……」
二人は抱き合ったまま、しばらく動けなかった。
白い液体が床に滴り落ちる音だけが、静かな控室に響いている。生還を喜び合うように、強く、強く抱きしめた。そのときだった。
美少女探偵のスマホが、床に落ちたまま振動し、着信音を鳴らした。
画面に表示された名前は——プロフェッサーM。彼女は震える手で端末を取り上げた。
「今回の事件、どうでshow?」
軽薄で、どこか楽しげな声。美少女探偵の表情が、すっと強張る。
「お気に召したでshowか?」
プロフェッサーMの声は、まるで自分の仕掛けを自慢するかのようだった。
美少女探偵は、濡れた体のまま、スマホを握りしめた。爆破は、この美少女の仕業なのか。
受付嬢を壊したのも、自分をこの状況に追い込んだのも——。
疑念が、胸の奥でゆっくりと膨らんでいく。
「……プロフェッサー。あなたが……やったの?」
声は低く、怒りと不安が混じっていた。
電話の向こうで、プロフェッサーMはくすくすと笑っただけだった。
「meではありません!meは提示する者。さぁ!今回の爆破事件を美少女探偵である貴方が解くのです!素晴らしい推理を見せてください。ヒントはこの事件は超能力で起きてます!」
プロフェッサーMはそんな挑戦をしてきた。
美少女探偵は超能力をあまり信じていない。
信じたくはないのである……。
美少女探偵は、抱きしめたままの受付嬢の肩に額を預け、目を閉じた。
白い液体にまみれた二人の体。
再生したアンドロイド。
そして、謎めいた電話。
何が起きているのか、未だにわかっていない。
コメント
3件
もう第56話!?一気に読み終わったよ〜!!😭✨ 今回のエピソード、白い人工血液とか再生シーンの描写がすごく生々しくてドキドキした…!二人が抱き合うところ、めっちゃエモかったし、プロフェッサーMからの挑戦電話で終わるのずるすぎる!!続きが気になって今夜眠れないんだけど…?!🤯💕