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すの短編

21 - どっち側? 💛💙

♥

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2025年03月19日

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ちゃぷん。


春に入り、大分暖かい日も増えた。


寒い日がなくなる前に、二人で久しぶりに風呂でも入ろうか、と照に誘われたので、魂胆が丸見えなのに、こうして付き合って二人で湯船に入っている。


ここ数日、スタジアムの大きさに合わせた振り付けの変更や、演出部との打ち合わせなどで照がちっとも構ってくれないので俺なりに譲歩したのだ。


男二人で入るには狭い、照の家の内風呂。


俺はいつも風呂はサウナに行って済ませるので、こうやって愛し合う時くらいしか、家のバスタブには入らない。


湯船の中で照が収まりのいい位置を探して、俺の身体を前に抱きかかえながら、後ろでもぞもぞと動く。

はっきり言ってくすぐったい。襟足に何度もお湯がかかる。

身長が人並みより大きい照は、脚の置き場に苦労していた。


1月、バラエティ番組にみんなで出演した時に、ラウールが子供用の三輪車に乗ってタラバガニにしか見えなかった映像を思い出して俺はつい吹き出した。



💛「なに笑ってんの?」


💙「ラウール」


💛「ラウールが、なに?」



後ろにいるので顔が見えないが、声色で少し照の機嫌を損ねたのがわかった。



💙「違う違う、お前が思ってるようなことじゃなくて」



言いかけると同時に頭を掴まれて、無理やり横向きにされ、キスされた。


唇が離れると、照が拗ねた顔で俺に抗議する。



💛「ねえ、今は俺といるの」


💙「わかってるよ。ラウールにも嫉妬するの?」


💛「ラウールだってもう大人の男だし、ラウールじゃなくても、翔太が見るやつには誰でも嫉妬する」


💙「おもっ…」



口ではけなすが、嬉しい。俺だって照以外考えられないってたまには言ってやろうかな。

でもやっぱり面と向かっては恥ずかしい。





照の喜ぶ顔が好きだ。

くしゃっと笑って、目がなくなる。



照が初めて好きだと言ってくれた日。


あの時、照は死ぬほど緊張していて、愛の告白は抱きしめられた腕の中で言われたのだけれど、密着して聞こえてくる心臓の音がえぐかった。その音が伴奏曲のようになって、とっくに気づいていた好意に俺も応えてやりたくなった。



照と初めて結ばれた日。


何度も何度も失敗して、そのたびに照が泣きそうな顔になるのを見ている方が辛かった。

それでも努力家の照らしく、時間をかけてやっとのことで二人繋がり、俺もちょっとだけ感じたことを伝えたらめちゃくちゃ喜んでいた。

あまりに可愛くて、抱きしめてやりたくなって、本当にそうしたら、顔を真っ赤にして頭を撫でてほしいって言われたっけ。



💙「あれ?可愛いな?」


💛「また違うこと考えてるの?」


💙「違う違う。照のこと」


💛「やだぁ、もう」



これって、俺が照を可愛がる方の世界線もあったのでは?と思っていると



💙「あんっ」



急に始まった。



照は俺のうなじのあたりにキスを落とす。

腰には元気いっぱいの照の感触。

お湯の中で照の手が伸びて、俺の前を弄り始めた。立ち上る湯気やお湯の熱さも手伝って、いつもより絶頂が早く来そうだ。



💙「ねえっ」


💛「?」


💙「お湯に…っ…出したく…ないんだっけどっ」



聞こえたくせに、照の手の動きが激しさを増した。腰のあたりに自分のものをぐいぐい押し付けながら、手は俺のものを上下に力を変えて擦っている。湯船から逃げようと立ちあがろうとしたら、気づかれた照に肩を掴まれた。



💛「俺は、気にしないけど?」


💙「や…だっ……はぁっ!!」



俺は我慢できず、白濁を、湯の中に吐き出してしまった。


照は俺を苛めるのも大好きなのだ。

俺もなんだかんだこうやって愛されることに感じてしまう。


結局、俺の役割はこっちなんだな。


大きく息をつきながらも、一度出してスッキリした頭で俺はそんなことを考えた。


そしてまた一方でこれから再び始まる照の愛撫の期待に胸を震わせた。





おわり。

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コメント

14

ユーザー

こんばんは〜🎵心臓の音が伴奏曲なんて表現素敵すぎる💓 ピーくんの嫉妬も可愛いですよ😍

ユーザー

ひーくんはかっこいいし、可愛いです🥹💛 毎日読みたいかわいいお話でした🥰

ユーザー

お風呂でありがとうございます🫣 ひーくん可愛いの分かる😌

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