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ろのみ🩵🫧
43
#愛され
おうか
252
「ねぇ、部長……ご飯連れてって下さいよーぅ」
「あー、はは。今忙しい。またね」
いや、実際忙しかった。でも、それ以前に魂胆がミエミエだ。そのまたもっと以前に、お前彼氏いるだろ。そのまたもっと、もっと以前に……タイプじゃない。
次から次へと、何とか誘いだそうとする。俺というより、この同業他社より頭1個分ほど出た会社が、益々業績を伸ばし……
その会社で、自分で言うのも何だが、いわゆる“有望株”なんだろう。会社に取っても、女に取っても。
元々、色々と鋭い方だ。鋭いというか、結局はよく人を見ているということだろう。
社員数の多いこの会社では社内恋愛を経て結婚する人も少なくない。
逆に人に言えない関係もある。何となく分かる。俺が好きなのか、俺の役職が好きなのか。
一部の女子の間では、ちょっとした意地みたいになってるんじゃないか。誰が俺を落とすか。
勘弁だな。社内は避けたい。逆に微笑ましい想いを抱えてる奴なんかは、わざと食事に誘って……くっつけたりした。そんなのの方が楽しいし、傍観してられる。
だけど……そうだな。そろそろ、自分の事を考えてもいい頃かもしれない。
仕事は忙しいが、そんな事を思う余裕も出てきた。何より、疲れていたのかもしれない。
癒されたい。
社内は避けたい。というか、誰かに落ちるのも面倒くさい事になりそうだし、その面倒くささを受け入れまで、そう思う人が居ないのも事実だ。
────ちょうど、その頃だった。うちの、システム全般を頼んでいる会社の担当者から
「清水部長、こちらの担当者をもう一人増やそうと思ってまして……次回、連れて来ます」そう言われたのは。
「ああ、そうか君の所、人数少ないもんな。君も……うちにばっかり時間割けないか」
「いえ、割きますよ、いくらでも。……ちなみに、僕より先輩が来ますから、きっとお役に立てると思います。あー……ただ……」
そこで、彼は言葉を濁した。彼の会社は全体的に若く、彼も新卒かと思うくらいの頃にうちの担当になった。実際は、この会社に転職してきてすぐだった。
パッと目を惹く、ものすごい……イケメンってやつだ。誰が見ても。
吉良凌平。彼が来た時だけは……俺でさえそっぽを向かれるほどの綺麗な男だった。
「何だよ、物凄い癖でもあんの? 」
「仕事は、出来るのでその点でご迷惑をおかけする事は……ただ……まあ、会ったら分かって頂けると思います」
そう言って、意味深な笑いを浮かべた。何だ?まぁ、楽しみにしておくか。
──次の週
「一緒に担当させて頂く中条です」
吉良君に紹介されると、綺麗な所作で名刺を差し出す。
なるほど……これは……。
ほんの少し口角を上げたくらいの笑顔。……物凄い綺麗な人だ。
吉良君と並ぶと……圧巻だな。タレント起用止めて、CMに使いたい程だ。
「はは、吉良君が来たら女性がそわそわしてたんだけど、今度は男性が……じっとしてないだろうなぁ」
そう言った俺に、彼女は一礼しただけだった。
……うーん……なるほどね。非常にクールだ。だけど、もちろん仕事には問題なく誠実に対処する。あんまり他の社員に晒さないほうがいいな。そう思って、ほとんど商談ルームで過ごした。
吉良君が他へのフォローへ回ってくれた。
本当に綺麗だな。先輩と言っていたから、吉良君よりは年上なのだろう。
俺より……下?上?落ち着いた雰囲気に、醸し出される色気。年齢不詳。歳なんて取らないんじゃないかと思う程。
「しばらくは、吉良と共に来ます。ご指導頂けたらと思いますので、宜しくお願い致します」
最後に少し微笑んで、彼女は商談ルームから出ていった。
……美人ってのはいいねー。吉良君といい、人を魅了する。また1つ楽しみが増えたかもしれない。
――吉良君と初めて会ったのは……彼が24歳の時だ。
彼の会社の社長に連れられて来た。彼の会社とは、社長同士の付き合いだ。若くして会社を立ち上げた社長が、うちの会社との関係を築いたわけだが……因みに、吉良君の会社は社長もなかなか目立つ人、だ。
とにかく、最初は彼の外見。思わず、同性でも見てしまうほどの。緊張してもいいくらいの面子の中、若い彼は物怖じすることなく話した。
生意気そうな笑顔、テンポのいい会話。オッサン達相手にその場に添った冗談なんかも飛ばす。
なるほどね。そして、そこそこの会社であるうちの担当させられるほど……仕事も出来た。フットワークも軽い。聞けば、営業部全員が彼と同い年くらいだという。……若手の育成。責任を負わせて、任せる。そんなスタンスなのか。
しかし、そういうのは人によっては、プレッシャーで潰れるけどね。潰れない人選ってやつか。うちの会社みたいに、数いりゃあいいもんでもないしな。
ほら、また無駄な奴があの辺で喋ってる。
――吉良君が帰った後の給湯室。
「見た?」
「見た見た! ヤバい!! めちゃくちゃイケメン。……そして、色々上手そうよね」
「バカだね~、あんた」
「遊ばれてみたーい」
「年下だよ、あれ」
「え……じゃあ、教えてあげたい? 」
「教える前に、知ってんでしょ、全部」
……頭痛い。声もデカイし、内容も下品。どうなってんだ全く。
コメント
1件
清水部長の「社内は避けたい」ってスタンス、めっちゃ分かる〜!笑 でも中条さん登場で「楽しみが増えた」って心境の変化がもうエモすぎる💕 綺麗な人同士が並ぶと圧巻だよね。吉良君の過去話も入ってきて、これからどう絡んでいくのか超気になる…!! 続き待ってます🔥