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ザァァァァァァ───────…
不意に意識が浮上する。
助かったのか…?
未だ雨が降っていることからしてあまり時間は経っていないはずだ。
その時、聞き覚えのある声が駆け込んできた。
「んもぉー!こんな雨の日に自殺をしないなんて!国木田君は狂ってるよ!」
「なんだと!断じて俺は狂ってなどいない!」
太宰…?何で?
俺は前を見ようと意識を向けると、ぼんやりと、景色が見えるようになってきた。
眼に映る其の場所はは、武装探偵社。
は…?
重症の俺が此処に運び込まれているならばこんなに落ち着いた雰囲気にはならないはずだ。
「それより太宰!お前は早く仕事をしろ!」
「いいいいいいやぁぁぁぁ」
国木田という堅物そうな眼鏡の姿は見えるが、太宰は声だけが聞こえて姿は見えない。
…何処に居やがる?
「んおー、こんな雨じゃあ、何もしようもないじゃないかぁ。んほぉ」
唐突に目の前が見覚えのある砂色に染まる。
───太宰の外套か?
なんで…?
俺の予想が正しければ、俺は太宰の胸辺りから世界を眺めていることになる。
どうなってやがる…?
「ぶっはぁ───────…」
視界が急に回転する。
太宰の動きと連動して視界が動くため、唐突に視界が動き、心臓に悪い。
目の前が窓の前になる。
雨が降っているため火が出ている時刻でも薄暗い。
そのお陰で硝子に姿がよく映る。
窓に綺麗に映る太宰。しかし
そこに俺の姿は見えない。
窓から見える海の水平線から俺の視線の元を探る。
それは───────
太宰のループタイ。
俺の予想は当たっていたようだが、
どう云う事だ?
まさか…これが
転生?