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朝のリビング。
食卓にはもう全員そろっていて
俺が来た瞬間だけ、空気が止まった。
【あっきぃ】「……おはよ」
【あっと】「……」
【けちゃ】「……チッ」
【まぜ太】「遅い。邪魔」
【ぷりっつ】「座るとこ、もうないけど」
【ちぐさ】「……」
空いているはずの椅子はあるのに、誰もどかない。
俺は一瞬立ち止まって、黙って立ったままトーストを取った。
【あっきぃ】「……立って食べるから、いい」
【あっと】「は? パン屑落とすなよ」
【けちゃ】「ほんと迷惑。存在が」
【あっきぃ】「……ごめん」
その「ごめん」に、誰も反応しない。
学校。
教室に入った瞬間、ひそひそ声が一斉に広がる。
【クラスメイトA】「来た……」
【クラスメイトB】「あっきぃだよね。例の」
【クラスメイトC】「兄弟全員から嫌われてるやつ」
席に座ると、後ろから椅子を軽く蹴られた。
【クラスメイトD】「どいたら?」
【あっきぃ】「……ここ、俺の席なんだけど」
【クラスメイトD】「は? 文句言う?」
あっきぃは何も言わず、立ち上がって後ろの空席に移動した。
放課後。
下校中、兄弟たちと鉢合わせる。
【ぷりっつ】「……また同じ時間に帰るの?」
【あっきぃ】「偶然……」
【まぜ太】「やめろよ。ついてくんな」
【けちゃ】「学校でも家でも、目に入るんだけど」
【あっきぃ】「……」
【ちぐさ】「……あき兄さ」
久しぶりに名前を呼ばれて、俺は顔を上げた。
【ちぐさ】「喋らないで」
【あっきぃ】「……ごめん」
【あっと】「ほんと、それ。存在感消してくれ」
全員が先に歩き出す。
俺だけが、少し遅れてついていく。
夜。
自分の部屋で、スマホを握りしめたまま、何も見ていない。
【あっきぃ】「……俺、何かしたかな」
答え、返ってこない。
隣の部屋から笑い声が聞こえる。
それは、自分がいない世界の音だった。
小さく呟いて、布団に潜る。
【あっきぃ】「……そっか
…明日も、同じだよね」