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翌日の夜。今日も今まで通りだった。
俺は今日決心したことがあった。
家の中は静かで、テレビの音だけが遠くから聞こえる。
俺は自分の部屋で、リュックを床に置いた。
【あっきぃ】「…制服と教科書、どうしよ」
家出をしてまたここに戻ってくるのか?
陰口をたくさん言われる学校に行くのか?
【あっきぃ】「……一応、持っていくかぁ」
空白の多い机とクローゼットを見る。
【あっきぃ】「……俺がいなくなっても、困らないよね」
ドアを開けると、廊下の明かりが眩しい。
リビングから、みんなの声がする。
【けちゃ】「今日のあいつ、マジで空気だったね」
【まぜ太】「元からだろ」
【ぷりっつ】「……」
【あっと】「その話どうでもいい」
俺は立ち止まって、しばらく聞いていた。
【あっきぃ】「……やっぱ、いらないか」
靴を履く音を立てないように。
玄関のドアをゆっくり開ける。そのとき。
背後から、足音。
【あっきぃ】「……ごめん、起こした?」
【ちぐさ】「どこ行くの」
【あっきぃ】「ちょっと……散歩」
【ちぐさ】「リュック持ってる」
【あっきぃ】「……。…すぐ帰る」
【ちぐさ】「……」
ちぐちゃんは何も言わず、視線を逸らした。
【ちぐさ】「……ドア、静かに閉めて」
【あっきぃ】「……うん」
玄関の外に出る。
ドアが閉まる音は、驚くほど小さかった。
夜の道。
街灯の下で立ち止まる。
【あっきぃ】「…寒いなぁ」
スマホを見る。
連絡先はある。でも、誰にも押せない。
【あっきぃ】「家にいるより、マシか」
どこへ行くかは、決めていない。
【あっきぃ】「…明日、学校行かなくていいかなぁ」
同じ頃、家。
【ぷりっつ】「俺、もう寝るわ。おやすみ」
【あっと】「あぁ、おやすみ」
【ぷりっつ】「……あれ?」
【まぜ太】「何」
【ぷりっつ】「玄関、鍵かかってなくね」
【あっと】「……」
【けちゃ】「まさか」
【ちぐさ】「……出てった」
【あっと】「……は?」
【ちぐさ】「あき兄」
リビングが、静まり返る。
【まぜ太】「……冗談だろ」
【ぷりっつ】「……」
【けちゃ】「……」
誰も、すぐには動けなかった。
夜道を歩きながら、あっきぃは小さく息を吐く。
【あっきぃ】「怒られないの、久しぶりかも」
街灯が一つ、また一つ、後ろに遠ざかる。
【あっきぃ】「……誰にも、見つからなきゃいいな」