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幻想郷、博麗神社の巫女である博麗霊夢は、今日も今日とて縁側に座り、茶をすすりながら空を仰いでいた。いつものように平和な日々だが、彼女の第六感が、何かが起きる予感を告げていた。
その予感は的中した。
数日後、幻想郷の各地で奇妙な報告が相次ぎ始めた。
「博麗の巫女!大変だ!人里の近くで、変な青い塊がうろついているんだ!」
「霊夢さん!森の中で見たんです!プニプニした、丸い生き物が…!」
最初は単なる妖怪の悪戯か、新種の妖精かと思われた。しかし、その「青い塊」は、ただの妖怪ではなかった。
人里の畑が荒らされたり、湖の魚が減ったり、竹林のタケノコが大量に食べられたりと、決して悪意があるわけではないが、どうにも困った被害が出始めたのだ。
ついに、紅魔館のメイド長、十六夜咲夜が、紅茶に入れるはずの砂糖が消えたと怒り心頭に発し、調査に乗り出すことになった。
霊夢もまた、異変の元凶を突き止めるべく、空を飛んでいた。すると、見慣れない巨大な桜の木の下で、それは突然現れた。
青い光が弾け、その中から現れたのは、小さな人間の子供…いや、正確には、人間の姿をしたスライムだった。透き通るような青い髪と瞳を持ち、どこか困ったような表情を浮かべている。
「ええと…ここはどこだ?」
リムル=テンペストは混乱していた。魔国連邦の会議中に、突然足元が光り、気がつけば見慣れない場所へと放り出されていたのだ。周りには見たこともない植物が生い茂り、遠くには日本の神社のような建物が見える。そして何より、自分をジロジロと見つめる奇妙な格好の少女。
「あんたが、例の青い塊ね?いったい何者?」
霊夢はいつもの調子で問いただす。その背後には、異変を察知して集まってきた霧雨魔理沙や十六夜咲夜、さらにはパチュリー・ノーレッジ、レミリア・スカーレットといった面々が、警戒しながら控えていた。
リムルは、状況を理解しようと瞬きをした。
「えっと…俺はリムル=テンペスト。ただの、通りすがりのスライム…なんだけど…」
「スライム!?」
魔理沙が目を丸くする。
「まさか、あの奇妙な被害の元凶が、こんな可愛い見た目の奴だったとはな!」
「可愛い見た目って…あ、もしかして、俺のせいで何か迷惑かけちゃったか?」
リムルは心当たりがありすぎて、冷や汗をかいた。この世界に来てから、つい好奇心から色々なものを吸収してしまったのだ。
「ああ、迷惑どころじゃないわ!私の砂糖を…!あなた、この世界の秩序を乱しているわね!」
咲夜がナイフを構える。
「あらあら、面白いスライムね。能力を解析させてもらおうかしら?」
パチュリーが興味津々に魔導書を開く。
「なんだか強そうじゃない!私の眷属にならない?」
レミリアが目を輝かせる。
四方八方から飛んでくる質問と敵意と興味の眼差しに、リムルは途方に暮れた。
「ええと…とりあえず、誤解を解きたいんだけど…」
リムルと幻想郷の住民たちの、奇妙で賑やかな出会いが、今始まったばかりだった。
この異世界からの来訪者によって、幻想郷の日常は、一体どう変わっていくのだろうか。