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「ちょっと待った!話を聞いてくれって!」
リムルの叫びも虚しく、咲夜が放った銀のナイフが空を切り裂く。同時に魔理沙が八卦炉を構え、不敵に笑った。
「問答無用だぜ!幻想郷に来たからには、まずは弾幕で語り合おうじゃないか!『マスタースパーク』!!」
極太の魔力奔流がリムルを飲み込もうと迫る。しかし、リムルの脳内に響く声は、以前よりもずっと滑らかで、意志を感じさせるものだった。
《告。問題ありません。霧雨魔理沙による熱線攻撃は、『虚空之神(アザトース)』の空間支配により無効化しました。ついでに、この世界のエネルギー「霊力」の解析を完了。これよりマスターに最適化された弾幕構成案を提示します》
(さすがシエルさん、仕事が早い!)
リムルが指先を軽く振ると、迫りくるマスタースパークが空間ごと捻じ曲げられ、霧散した。
「なっ……!?私の火力を、ただの手振りで消しただと!?」
「へえ、面白いわね。じゃあ、これはどうかしら?」
レミリアが紅い槍を生成し、咲夜が時間を止める。
……しかし、リムルはその「止まった時」の中で、悠然と歩き出した。
《告。個体名:十六夜咲夜による『時間停止』を確認。私にとって、この程度の時間干渉は停止しているに等しい概念です。マスター、反撃の許可を》
(ああ、加減してやってくれよ。殺し合いがしたいわけじゃないからな)
《了解しました。出力0.00001%で執行します》
時が動き出した瞬間、咲夜は自分の目の前にリムルが立っていることに驚愕し、飛び退いた。
だが、リムルの周囲にはすでに、シエルが計算し尽くした「最も美しく、最も回避困難な」弾幕が展開されていた。
「これ、スペルカードルールっていうんだろ?俺も一枚作ってみたよ。スペルカード:蒼神『虚空に舞う智慧の星(シエル・テンペスト)』」
リムルの背後から放たれたのは、幻想的な蒼い光を放つ魔力の結晶体。それは不規則に動くようでいて、相手の回避パターンを完璧に先読みし、逃げ道を美しく塞いでいく。
「な、なによこれ!避けられないじゃない!」
霊夢が慌てて夢想天生を展開しようとするが、その動きさえもシエルの計算内だ。
その時、空間に「亀裂」が走り、リボンをつけた隙間から一人の女性が姿を現した。
「あらあら……ずいぶんと面白いお客様が迷い込んだものね」
境界の妖怪、八雲紫。彼女の登場に、その場の空気が一変する。
リムルはシエルとの内なる対話で、この女がこの世界の「管理者」に近い存在であることを瞬時に理解した。