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「レオナさーん!!起きてください!」
昼時だというのにラギーが声を張り上げてレオナの寝室へ入ってくる。今朝はマジフトの朝練に加え魔法史の小テストに追われていたためレオナを完全に起こす時間がなかった。それに今日のレオナはいつにもまして起きてこようとしない。何せウィンターホリデーで実家に帰った後なものだから疲れているようだ。甥と兄の猛攻を受け流すのは至難の業である。
「ん゛〜…」
「ちょっと!二度寝しないの!起きてくださ〜い」
「…別に今起きる必要はねぇ。お前先行っとけ」
「アンタそんなこと言って前一日中部屋に籠りっぱなしだったでしょ!とっとと準備してください!」
渋々レオナが起きる。こうなればラギーの勝ちだ。魔法でささっと身支度を整えたレオナはのっそりとした動きで部屋を出る。ラギーもそれに続き、二人で食堂に昼ごはんを食べに行く。
「おっ!今日のバイキングめちゃイイっスよ。メインはオムレツとハンバーグですって」
「ハンバーグ、野菜はいれんな」
「野菜は入れますよ。栄養取らないと…場所だけよろしくっス」
「いらねぇ」
レオナの言動はこと食事においてほとんど無視される。メシに関しては基本ラギーが強い。この間もブロッコリーを無理やり口に押し込まれそうになり砂にしたことがあったがラギーは砂にするぐらいなら食っときゃよかった…と泣いたし食べ物を粗末にするなと本気でレオナを恫喝したのでレオナはちょっぴり反省した。野菜は相変わらず食べないけれど。
「はい、ハンバーグとサラダっスよ。あとチキンもあったんで取ってきたっス」
「…おいジャック。これやるよ」
「後輩にサラダ押し付けないの!」
なんとこの先輩。通りすがりの後輩にサラダを押し付けた。ジャックはわけも分からずオロオロして
「ウッス!ありがとうございます!でも野菜は食べた方がいいんでお返しします」
じゃ、エペル待たせてるんでと言い残し立ち去ってしまった。レオナは目に見えて不機嫌になりチッと舌打ちした。そしてハンバーグとチキンをぺろりと平らげ、残ったサラダを睨みつけていた。
「睨んでも無くならないっスよ」
「うるせぇ。そもそも肉食動物が野菜を食う必要はない」
「アンタ獣人でしょ。屁理屈言わず一口でいいんで食ってくださいよ」
するとレオナはおもむろにフォークでキャベツを一切れ取りゆっくりと口に運んだ。もしゃ…もしゃ…と嫌そうな顔をしながら食べるとガタッと席を立ち
「寝る」
と言い残して声をかける間もなく去ってしまった。
「まじで一口だけ食ってどっか行きやがった…」
Good afternoon!《よき午後を!》