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にゃーにゃ
「そこまでだ! おとなしくしなさい!!」
力強くて圧迫感のある声に振り返ると、警備員さん数名が男を取り囲んでいるのが見えた。そこからあっという間に男が拘束される。
良かった…助かったみたいだ。
ほっとして力を抜くと、ぐいっと襟首を掴んで引っ張られた。目の前には、大きな目に涙をいっぱいに浮かべた佐久間くん。
「蓮、お前! 殴られたらどうするつもりだったんだよ!? 下手したら死ぬぞ?!」
「ごめんなさい…でも、佐久間くんを守らなきゃって」
「お前に守られてお前が怪我したら、そっちの方が嫌に決まってんだろっ! もう二度とすんなよバカッ!!」
「…それは、約束出来ないかも」
「何でだよ!!」
「同じことがあったら、間違いなくまた佐久間くんを守っちゃうと思うから。だから約束出来ない。ごめんね」
「…は?」
「でも今度は、俺も佐久間くんも怪我しない方法を考えるから。だから安心して!」
「安心出来るかよ…蓮のばかぁ…」
ギリギリで止まっていた佐久間くんの涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。泣かせるつもりなんてなかったのに。
慌てて服の袖で涙を拭うと、佐久間くんの腕が伸びてぎゅっと俺にしがみついた。
「怖かった…」
「うん、そうだね…無事で良かった」
「違うっ」
ぶんぶんと大きく首を振って、泣き顔の佐久間くんが俺を見上げる。
こんな状況なのに、可愛くて堪らない。
「蓮が死んじゃうかもって、それが怖かった。俺だってお前のこと守りたいよ。蓮のこと、大事なんだよ。だから、お願いだから無茶すんなよ…!」
「…うん、ごめんね…。ありがとう佐久間くん」
俺を大事だって言ってくれた。俺が死んでしまうかもしれないのが怖かったって、そう言って泣いてくれてる。それだけで胸が震えるくらい嬉しい。
泣き続ける佐久間くんを、大切に大切に胸の中に閉じ込めた。