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ー正しさの匂いー 炭治郎視点
__嫌な匂いだ。
血の匂いだけじゃない。
人が…後悔しながら泣いた後に残る、重たい匂い
この場所…
俺は校舎を見上げた
古いけど、荒れてはない。
本来なら、子供たちの笑い声が聞こえる場所だ。
善逸「ねぇ、炭治郎…ほんとにここ学校?学校に鬼っておかしいでしょ…」
炭治郎「静かに善逸。鬼は中にいるよ」
それも、1人じゃない。
いや…違う?
廊下の奥から感じる気配。
鬼の匂いは確かにある。
でも、その前に____
人間?
壁の向こう。
俺の鼻は2人分の”生きてる匂い”を捉えた
足音を殺して、角を曲がる
そこにいたのは、女の子だった。
制服姿で、震えながらも前に立っている。
そして、その前には宙に浮く少年。
浮いてる?
人間じゃない
でも、鬼とも違う
その瞬間、鬼が動いた。
爪を立て、泣きながら前へ進もうとする。
なのに、その足取りは弱々しい。
炭治郎(心:この鬼…)
喰いたいはずなのに、躊躇っている。
そんな匂いがした…
寧々「やめて…!!」
女の子の声が、夜に響く。
鬼の動きが止まった。
炭治郎(心:止まった…?)
鬼は女の子を見ていた。
獲物を見るような目じゃない。
縋るような、壊れそうな目。
その時、宙に浮く少年が口を開いた。
花子くん「まずいな…。鬼を斬る人たちが来ちゃった。」
炭治郎(心:俺たちに気づいてるのか…)
隠れる意味はなかった。
炭治郎「大丈夫ですか?」
声をかけると、女の子がビクッと肩を振るわせてこっちを振り返る
寧々「あなた…誰ですか?」
炭治郎「俺は、竈門炭治郎です。鬼を斬る為に来ました。」
その瞬間、
宙に浮かぶ少年が笑った。
花子くん「フハッ笑アハハハハ笑」
軽くて、冗談みたいな笑い。
なのに、その匂いはひどく警戒していた。
花子くん「へぇ、やっぱり来たんだ。」
少年は女の子の前に出る。
花子くん「でもさ、この子。簡単に斬っていい鬼じゃないよ?」
炭治郎(心:庇ってる…?)
俺は刀に手をかけた
鬼を庇う存在。
それは、俺にとって敵でも味方でもある。
炭治郎「でも、鬼は人を喰う存在です。放っておくことはできません。」
花子くん「だろうね。君、すっごく正しいように見えるし。」
胸の奥を、見透かされた気がした。
花子くん「でもさ、炭治郎。正しさって、いつも間に合わないんだよ。」
鬼が震えながら泣いている。
女の子はその前から動かない。
炭治郎(心:この子は…)
怖いはずなのに逃げない。
鬼を”敵”として見ていない。
炭治郎(心:この夜は簡単じゃないな…)
俺は悟った。
ここでは、
斬ることが正解とは限らない。
そして、宙に浮く少年は。
鬼でも、人でもない存在は。
炭治郎(心:この学校の番人だ)
この夜は、
今まで以上に刀を抜くのが怖い夜だった