テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ー斬れないものー 花子くん視点
正直に言うとさ。
俺はああいう“正しい人”が苦手だ。
(……炭治郎)
まっすぐで、迷いがなくて、
「守る」って言葉を疑わない目。
――ああいう目をしてる人ほど、
最後にはちゃんと斬る。
俺は、それを知ってる。
花子くん(この鬼は、俺と同じような気がする)
選びたくて選んだわけじゃない。
それでも、存在するために“壊れた”だけ。
廊下の奥で、鬼が震えている。
喰いたい。
でも、喰いたくない。
矛盾でぐちゃぐちゃになったような_____
善逸「ひっ……!
ちょ、ちょっと待ってよ炭治郎!
なんかさ、なんかおかしくない!?
この鬼、全然強そうじゃないんだけど!!」
あー、うるさい。
でも……嫌いじゃない。
あの黄色い少年、怖がってるくせに、
ちゃんと“違和感”を感じてる。
炭治郎「善逸、下がって」
善逸「無理無理無理無理!!だってさぁ!?この子、泣いてるよ!?鬼って泣くんだっけ!?」
その言葉に、ヤシロがぎゅっと拳を握った。
寧々「……ねえ、花子くん」
花子くん「どうしたの?ヤシロ」
寧々「この子……
悪いこと、したくてしたわけじゃないよね」
……ずるいなぁ笑
ヤシロは、いつもそうだ。
答えをくれる前に、
俺が一番触れられたくないところを触ってくる。
花子くん「……うん」
炭治郎「きみ…」
炭治郎が俺を見る
炭治郎「鬼は、放っておけば人を傷つける。それでも…守るんですか?」
その問いに俺は笑った
花子くん「笑守る、って言い方はちょっと違うかなぁ」
ヤシロの前に一歩出る
花子くん「俺はさ、”簡単に終わらせる”のが嫌なだけ」
逸「か、簡単にって……
え、もしかして今、めっちゃ深い話してる!?
俺、帰っていい!?」
誰もツッコまなかった。
鬼が、小さく嗚咽を漏らす。
花子くん「ねえ、炭治郎」
名前を呼ぶと、
彼の匂いが少しだけ揺れた。
花子くん「一回、間違えたらさ。
全部、斬られなきゃいけないの?」
炭治郎「……っ」
花子くん「戻れない場所に、縛られたらそれでも、“悪”?」
答えが出ない顔してる。
それを感じて、ヤシロが前に出た。
寧々「炭治郎くん」
炭治郎「……はい」
寧々「私は、この子を斬ってほしくない」
まっすぐな声。
逃げない目。
寧々「怖いけど……
それでも、助けたいって思ったんです」
善逸が、ぽかんと口を開ける。
善逸「……え、天使?」
……ほんと、空気読まないなぁ?笑
でもさ。
この場で一番、勇気があるのは
間違いなく――ヤシロだ。
俺は鬼を庇ってるんじゃない。
花子くん(心:ヤシロの“選んだ気持ち”を、奪わせたくないだけ)
俺は正しくなんてなれない。でも
花子くん「炭治郎。この夜は、斬らないっていう選択肢もあると思うよ」
それが、俺なりの答えだった
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!