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愛華には、分からなかった。
争い、良い戦績を残した者が表彰されることも、勝った方が絶対であり、正義である理由も
何が正しくて、何が間違っていて、間違っていても評価される人はいて、正しくても_
逃げて、逃げて、お腹がすいて倒れそうになっても、疑問だけは消えなかった。
こんなことで故郷が崩壊してしまうのが、悔しかった。
都市部に行っていた兄に引き取られた。
だがそれでも、半年ほどは精神に異常をきたしていたらしい。
寝る前に感情が爆発し、泣きながら人と人とが争う理由について聞く。
そんな夜ばかりが過ぎていく。
正気を取り戻す前最後の夜に、兄が呟いた。
兄「…人間が居なくなればさ、争いなんて無くなるのにな。」
冗談っぽく、兄が言う。
だが、次の言葉は、真剣に思えた。
兄「愛華がここまでおかしくなることも、倒産と母さんがタヒぬこともなかったのに。 」
それが、きっかけだった。
どうにかして、人間が干渉できないような社会を作ろうと思ったのだ。
内戦が終わり、遅れに遅れて入った高校 、友達も作らずに社会の授業だけを大真面目に受けていた。
AIと人間の関係性、どうやって今の文明は生まれたのか…全てをだ。
高校1年の頃、兄にこう呟いた。
愛華「_兄さん、待っててね、私が実現してみせる。」
兄は、その言葉を聞くときょとんとした顔をしていた。
高校2年生になった頃、愛華は、本格的な行動を開始。
ありとあらゆるAI系企業の面接を受けたのだ。
愛華「…技術系には自信があります!こちらで働きたいのです!!」
最初こそ未熟だったなと、今でも思っている。
何社も受けては落ちを繰り返し、15社目にしてようやく合格。
その頃には、2年生も中盤といったところだった。
兄に言えば反対されるのは目に見えていた。
中学を卒業してすぐに働く人はいても、学校と仕事を両立する人は稀だから。
だが、就職先ではコミュニティが3つほど形成されており、私より後に入った女社員が、それを壊してしまった。
いがみ合う空間が生きにくくてたまらない。
愛華 (…馬鹿みたい。)
そう思い、愛華は働いて2年で退職した。
だがこれは_どの職場も、そうだった
元々おかしいか、後でおかしくなるか。
_彼女は、どこまでも理想を求め続けた。
誰も争ったりしない、平和な世界。
18歳になると、人間関係の壊れきった会社の社長に辞表をデータにまとめ、送った。
愛華「今月限りで、こちらを辞めさせて頂きたいのですが。」
愛華 (私が人間関係に苦しむなら_私がコントロールすればいいんだから。)
そう決心したのだ。
愛華 (_兄さんに入らせてもらった中高の授業が役に立つなんて。)
_中学時代
先生 「miaという組織、みんなは知ってるか?」
誰も、ヒソヒソと知らない、なにそれと呟くのみで手を挙げたりはしない。
先生「AIを絶対者みたいに扱う悪徳な組織だから、お前らは関わらないようになー。」
先生の言葉に生徒の皆がはーい。と返事をする。
愛華は、そこに混ざらなかった。
愛華は退職後、どこかからもらってきたmiaの資料を取り出し、まじまじと眺めた。
愛華「_自分でやるんだ。」
最初こそ兄とはよく話していた、だがその頃には、兄に何か言うことも無くなった。
そうして愛華は、孤独になった。
それは、物理的な孤独ではない。
社員が、自分を恐れ、本当の自分なぞ見ちゃいないから。
だからこそ、セメントというのは、精神的支柱であったのだ。
_現在
愛華「…あ、あ…」
口から、腹から血をダラダラ流す愛華は、部屋の一番奥、セメントの隣でぼうっと天井を眺める
言葉を紡ごうとする、だがそれは痛みを増長するのみであった。
るるくらげ
@ 愛 . #低浮 .
セメント「…しゃちょ、しゃちょ…ぼく、失敗…してな…い、ですか?」
愛華はワンテンポ遅れて、それに答える
愛華「…あぁ。」
愛華「お前は…立派、な…や…つだ。」
愛華はゆっくりと目を閉じる
セメント「…社長」
セメント「……ありがとう、ございました」
セメント「………この、御恩は…タヒんでも…忘れな…」
セメントもまた、社長の隣に寝転ぶ。
そして以降、2人は血の上で、動くことはなかった。
残された3人は、ゆっくりと眠る2人に近付き、その身体が冷えきっていることを確認する。
sepia「…ありがとう。」
sepia「……かなも、リボルバーも、ケヤキも、りさも」
sepiaはしばらく動けなさそうにしていた。
sepia「…俺はここの後始末をする、報酬は明日払う。」
かな「………うん。」
愛華は、なんとも後味の悪い最期であった。
セメントも、社長も、本質は同じなのかもしれない。
ただ、平穏で平和な人生が、欲しかったのだろう。
ケヤキ「……」
ケヤキ「…sepia、僕も手伝う。」
ケヤキ「…お二人共と、今はいないけどりささんも_ありがとうございました。」
ケヤキ「…貴方達がいなかったら、僕も、sepiaも道を外れていたかもしれません。」
ケヤキは深々と頭を下げる
リボルバー「…新しい道、応援してます。」
リボルバー「…いつか、また再会できますように。」
ケヤキとsepiaは、そんなリボルバーの言葉に力の抜けた笑みを浮かべた。
かな「…私達も行こう、りさのいる場所ならわかるから。」
リボルバー「分かりました。」