テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
注意事項
〇シスコンいます。
〇全体的にコメディーです。
〇ちょっとキャラ崩壊してます。
〇謎テンションによる謎が入り混じってます。
〇オリキャラ出ます。
〇殺気表現(緩)あり。
以上の事を御理解の上、本作品をお楽しみ下さい。
今日は、2月3日。
ここ、中華達の家でも、節分の準備は進められていた。
「姉貴〜!!鬼役連れてきたよ〜!」
満面の笑みで帰宅してきた湾華(台湾のドール)は、自身の姉である中華(中華民国及び中華人民共和国のドール)に話しかける。
「ハイ?鬼役アルカ??」
そんな湾華に中華は動揺を隠せない様子。
湾華の後ろには、2メートルを超えた身長の、青色の鬼の面をつけられたどこかのドールがウォッカ瓶を片手に、無言で……。
いや、脳内をハテナマークに埋め尽くして立っている。
彼は、中華の彼氏であり、ロシア連邦のドール、炎露だ。
「ぇ、炎露?!な、なんでここにいるアルカ?!」
そして、思考を宇宙に飛ばした炎露を前に取り乱し始めた中華。
「姉貴!悪鬼(炎露)は僕が追い払うよ!」
そう満面の笑みで湾華は、お手製の水分を限界まで飛ばした福豆を手にしている。
(主と晩酌中だったはず…………。取り敢えず、中華に福豆が行かないようにしよう。あと、ウォッカも溢さないように)
炎露は殺気立っている湾華を前に思考を巡らせていた。
この場に、ツッコミ役など不在である。
炎露は鬼の面を少しずらして、視界を開ける。そして、未開封のウォッカ瓶を開けて、一口呑む。
炎露、本気モードである。
「悪鬼(炎露)は外ー!!」
そうして半分唐突に始まった豆撒き。
まずは湾華の元気な声た共に、殺傷能力のある福豆が全力の殺気を纏って炎露に向う。
だが、それを難無く炎露は片手で受け取り、近くの皿に置いた。
「はぁ?鬼役ならちゃんと身体で受け止めろよ!!」
炎露が殺意剥き出しの福豆を全て片手でキャッチしてしまうものだから、湾華は怒り心頭である。
「チッ」
湾華は小さく舌打ちをしながら、福豆(殺意の塊)を投げる速度を上げた。
それに伴い、炎露の見事なキャッチもスピードを増す。
炎露の背後に守られている中華の思考は、未だ宇宙をさまよっている。
湾華の目的は、“鬼を追い払う”のではない。
如何に合法的に炎露に攻撃するかである。
だが、相変わらず炎露は無表情のまま、福豆をキャッチし続けている。
そうするとやがて平皿の上に福豆を置くのがキツくなってきた。
そこで考えた炎露は、福豆を一粒、口に放り込んだ。
通常、簡単に前歯が折れてしまいそうなほどに湾華は福豆の水分を飛ばしたが、炎露の噛む力には負けたらしい。
ゴリゴリとした音が聞こえたかと思えば、炎露は少し目を見開いた。
(美味っ。良い酒の肴だな)
そんな事を思っていた。
そんな咀嚼音に、湾華は一瞬フリーズした。
が、すぐに意識を取り戻し、食べているうちに武器(福豆)を投げようと思った。のだが、もう、二袋分投げ終えたらしい。
「あ、あり得ないんですけど!普通こんなの食べる?!食べないでしょ?!」
弾切れを起こした湾華。こんどは精神攻撃(言葉の刃)を投げ出した。
「僕が三日三晩乾燥させたんだよ?!一粒食べてみたけど、あんなの煉瓦噛んでるみたいだったし!!」
湾華は少し涙目になりながらも、声を荒げている。
一般的に見ればなかなかに凶暴であるが、炎露から見ると、チワワが吠えているようなものである。
そして、湾華は知らない。
炎露は生きているうちに何度も、煉瓦を割れる乾パンを食べている事を。
炎露は、皿に乗っている福豆には手を付けず、ウォッカを煽った。
そんな光景にやっとの事で中華が思考を取り戻した。
「ぃ、いい加減にするアル!」
炎露の前に立ちはだかり、中華は湾華と炎露(特に湾華)を叱る。
そうして中華のお説教は約5分続いた。
「にしても、この福豆どうするネ?こんなの炎露以外食べれねぇアルヨ」
深いため息を一つ、中華はどうしたものかと悩みだした。
「スープにすれば食えるぞ。……、キッチン借りるな」
本日初めて話した炎露は、優しく中華と湾華の頭を軽く撫でて、キッチンへ殺意の塊を持って行った。
残された中華は、顔を真っ赤にしてフリーズ。湾華は「なんなの、彼奴」と呟いていた。
そうしてまたまた数分後。
もくもくと白い湯気をあげる即席ボルシチ風福豆スープ(2人前)を持った炎露がキッチンから出てきた。
「召し上がれ」
ナチュラルに椅子に座った中華と湾華の前にそれを置いた。
炎露の作ったスープを食べたそれぞれの感想は、「美味しい」の一言に尽きた。