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ピンポーン。
インターホンの音が鳴り終わったあと。
リビングの空気が止まる。
ゆうが玄関のドアを少し開ける。
「……誰」
外に立っていた男は、少し背が高い。
フードをかぶっている。
その男がゆっくり言う。
「ここ」
「なつ、いるよな」
その瞬間。
後ろで聞いていたなつの体が固まる。
ゆうが振り返る。
「知り合いか?」
なつはすぐ答えない。
でも。
小さく言う。
「……昔の」
その声は少し低い。
ゆうがまた外を見る。
「何の用だ」
男は肩をすくめる。
「話」
短い。
ゆうはドアをもう少し開ける。
「ここで言え」
男は中をちらっと見る。
らん。
みこと。
すち。
こさめ。
いるま。
みんなこちらを見ている。
男が少し笑う。
「随分増えたな」
その言葉。
なつが一歩前に出る。
「……帰れ」
男が目を細める。
「冷たいな」
なつの声が低くなる。
「ここ来るなって言った」
ゆうが気づく。
なつの拳が少し震えている。
男はゆっくり言う。
「お前さ」
「俺らのこと」
「忘れたわけじゃないよな?」
空気が重くなる。
そのとき。
スッ
いるまがなつの横に立つ。
男がそれを見る。
「誰」
いるまは静かに言う。
「仲間」
こさめも後ろに来る。
「用事あるなら」
「早く言ってください」
真っ直ぐな声。
男は少し驚いた顔をする。
でも。
すぐに笑う。
「別にケンカじゃない」
そして。
なつを見る。
「ただ」
「迎えに来ただけ」
なつの目が揺れる。
ゆうが聞く。
「迎え?」
男が答える。
「昔の仲間だからな」
静かな声。
「戻ってこいよ」
リビングが静まり返る。
なつの呼吸が少し荒くなる。
「……行かない」
すぐ答える。
男が笑う。
「ほんとに?」
そして。
一歩だけ近づく。
「お前」
「俺らのこと」
「まだ終わってないだろ」
その言葉。
なつの目が揺れる。
でも。
その前に。
ドン
らんがドアを押さえる。
「帰れ」
冷たい声。
男がらんを見る。
らんは続ける。
「ここは」
「お前の居場所じゃない」
男は少し黙る。
そして。
ゆっくり笑う。
「そうかよ」
でも。
最後になつを見る。
「気が変わったら連絡しろ」
「お前の場所」
「まだ空いてる」
そう言って。
男は去っていく。
足音が遠ざかる。
ドアが閉まる。
静かな玄関。
なつはその場で動かない。
こさめが小さく言う。
「……なつ」
なつは少し笑う。
でも。
その笑顔はどこか暗い。
「大丈夫」
短く言う。
でも。
ゆうは気づく。
なつの目。
また少し。
揺れていた。
もうね~
ひといれるきないかm((