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「ねぇねぇじんちゃん」
「ん?」
「このあとってひま?」
「なにその大学生が好きな子誘うみたいなセリフ」
「もう、そういうことやなくて。このあとひまですか?」
「まぁあと取材1個終わったら帰れるし、ひまではあるけど」
「じんちゃん。誕生日やのに午後からの予定ないんやね」
「はったおすぞおまえ。分かってて聞いてきたんじゃねぇのかよ」
分かってましたよ。分かってましたとも。今日2人で仕事あるってなったときからずっと考えててんから。でも、もし先越されてたらどうしようとか、ちょっと臆病になってしもただけ。
「いやーさすがに先約おったらあかんなーおもって」
「まあそれもそうか」
「そうそう。じゃあ俺終わるまでここで待ってるから」
「なに、どっか行きたいの?」
「うん、ちょっとねー」
「ふーん、まぁじゃあちょっと行ってきますわ」
「はーい、行ってらっしゃーい」
「舜太ー?終わったけど、もう出れる?」
「あれ、えらいはやかったね」
「ちょっとまきでやってもらった」
「ん?なんで?」
「だって、どっか連れてってくれんでしょ?」
ほんまに、そういうとこやでじんちゃん。そうやって色んな人トリコにしていくんやから。こっちは気が気がじゃあらへんのよ。
「んで、どこいくの?」
「んーそれは着いてからのお楽しみ」
「めっちゃもったいぶるじゃん」
「イルミネーション…」
「そ!今年はじんちゃんと一緒に見たかってん!」
「んなもん別にいつでも見れんだろ」
「誕生日なのがええんやん。てことで、じんちゃん誕生日おめでとう!」
「そういや、まだ言われてなかったか。うん、ありがと。」
「なになにちょっと照れてんのー?」
「照れてはないけど、素直に嬉しいなとは思うよ」
いつになく素直なじんちゃんに、こっちが照れてしまう。イルミネーションを見上げる横顔はLEDの明かりに照らされてすごく綺麗で。寒さに頬を赤く染めるその顔に少し見とれてしまった。
「なに?なんか顔についてる?」
「ううん、なんもついてへんよ」
「そ?にしても綺麗だな」
「綺麗やねー 」
言葉に隠した本心に気づかなくていいから。もう少しだけ独り占めすることを許して欲しい。いつだって弱さを見せないあなたのことだから、きっと今もなにかを思っているんだろうなって、そうやって想像するだけ。きっと一緒に背負わせてはくれないから、せめて元気を与えられたらって。「そんなもんもらわんでも大丈夫」って言われちゃうかもしれないけど、これはおれの自己満だから。それで少しでもじんちゃんが笑顔になる時間が増えればってそう願わずにはいられないから。だから、ずっとそばにいてね。深愛なるリーダー。
「手でも繋いどく?」
「却下」