そう、ちょうどあの日は満月の日、
いつもよりも薄着味悪い夜だったんだ。
人気のない夜道、息を飲んだ。
膝までぴったりくっついたタイトスカートが冷や汗で滲む。
「やっ、やだ…なんでこんな暗いの」
ミシッと何か音がした。
ハッと息を吸う暇もなく、奴らは現れた。
「いやああああああああああああああああ!」
黒く酷い匂いの奴は、私を一心不乱に追いかける。
そう、無理があった。タイトスカート、しかもスーツでだなんて。
あぁもっと、運動をしとけばよかった。
「あぁっ!」
まるで足の遅い亀のように、得体の知れないものはつまづき腰が抜けた私に覆い被さる。
こんなにも早く人生が終わるとは思ってなかった。
やっと自分の理想の職場を手にいれて、いい上司と後輩にも囲まれて幸せな生活だったのに。
お守り、そうお守りが
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